「怒り」の巻

よっぽどのことがない限り、実写映画を見に行くことはないのですが、野村萬斎見たさで行ったシン・ゴジラと同様に、坂本龍一が音楽ということと、ブルボンヌさんの評が気になったので見てきました。例によってネタバレ感想なので注意。でも殺人犯はネタバレしません。というか、する必要もない。この映画はそこがテーマじゃなかった。ミスリードさせる予告編ですね。

1.全体的なこと
この映画は、沖縄、千葉、東京と3箇所で個別に話が進んでいきますが、東京のエピソード以外は全然リアリティがないのは、たぶん意図的だと思うんです。この東京のエピソードをカットしても映画としては成立してしまうんですけど、テーマ的なことは東京の2人がガッツリ示してくるという、実に巧妙な作りになっております。
優馬「お前のことを疑ってるんだぞ」
直人「疑ってるんじゃなくて信じてるんだろ」
あ、これがテーマですねっていう。不信と信。ちなみに本編最後の劇伴のタイトルは「信」です。

2.東京のエピソードについて
東京のエピソードは、かなり重いし、痛いのです。
シャイニーゲイ*1の優馬(妻夫木聡)はイケてて派手な外づらをしているけれど、母親が末期がんでホスピスにいるっていう設定がまず重い。
重いから逃避的に遊んでて、そこで直人(綾野剛)と出会う。それで一緒に暮らし始めて、直人のことが気に入って(どこがいいのかあまり描かれないのですが、たしかにいろいろ可愛い)、遊びもスッパリやめて、今度は直人に没入するようになる。でも母親の病状は相変わらず重いし、自分は仕事に忙しいってことで、母親の世話を直人にさせるあたりで、もう家族だよねっていう感じになってくる。そこで多分、母親は気付いてるんです。でもそういう描写はなくて、幸せな時間が続くと思いきや、母親が亡くなって、葬式だの墓だのの話になるんですが、これがまた重い。つまり、葬式に直人を出席させるわけにもいかず、墓にしても自分が死んだあとどうなるんだっていう。
ゲイ・レズビアンの家問題、墓問題ってのは割と切実で、マツコ・デラックスが自分の番組でしょっちゅう言ってるのでご存知の方も多いと思いますけど、とにかく家系が断絶するんですよ。この観点だと別にセクマイでなくても、生涯独身だったり、子供がいない夫婦で必ず出てくるのが墓問題。その重さたるや、自分も考えるのが嫌になってしまいます。(自分も子供がいないので)
そして直人(綾野剛)のヒョロ白い身体に違和感があったんですけど、あーなるほどって感じで。いきなり一緒の墓に入りたいとか言い出すので「ここでプロポーズかよw」とか思ったんですが、2回目を見たらそのシーンで確実に泣くと思うので、もう見ません。優馬はこのあとどんな人生を送るのか、完全に放り投げられてしまうので救いがなくて、それもつらいです。

3.沖縄と千葉のエピソードについて
沖縄は海がすごく綺麗。沖縄ヒロイン(広瀬すず)の相手役(佐久本宝)が若すぎて終始違和感ありました。無人島ぐらしの兄ちゃん(森山未來)は非常によかったです。沖縄のエピソードもラストは投げっぱなし。でも「怒り」とはこういうことかと、わかりやすく提示されるのが沖縄エピソードだと思います。
千葉は渡辺謙松山ケンイチ宮崎あおいのトリオで、たぶんここが一番見せたかったところだと思います。ハッピーエンドを匂わせる終わり方で、ちょっと救いがありますね。ただ、渡辺謙の無駄遣いじゃないかと思う。宮崎あおいはこういう役をやらせるとめちゃくちゃうまいんですね。

4.演出について
肝心なところで画面の描写をやめて音楽に投げてしまう(大音量で劇伴が流れまくる)のは、いただけないと思いました。大声で泣きたい、叫びたい、というのは監督の韓国系メンタリティのなせることなのかなあ、という気がしないでもありません。自分はそういうメンタリティはあまり好きではありません。抑えて抑えて、最後に爆発させたかったんだと思うけど、最後まで抑えたほうがいい。画面の真ん中でギャーギャー泣きわめく女優より、画面の外で母親の死を悲しむ優馬の声の演技のほうが遥かに説得力がありました。

5.劇伴について
音数は少ないんですけど、セリフがないところで音楽が感情を伝えてくるすごい劇伴でした。坂本龍一はドロドロ系の音楽をやらせるとめちゃくちゃ上手いって改めて実感しました。手法的にはミニマル・ミュージックを大々的に使っていますが、ループではなく、機能和声が付いて転調しながら複雑な感情表現を聞かせています。16分音符の速いミニマルでなく、アダージョのテンポでゆっくりしたミニマルというのも面白かったです。あとプロフェット5とか、フェアライトCMI IIxっぽいざらついた音色など、教授らしいエッセンスも随所にありました。エンディング曲はチェロの二重奏だから、優馬と直人のメタファーですね。

*1:リア充なゲイ

ガンダムUCテレビ版最終回にあたっての巻

こんにちは。ゲロまみれになったリディ・マーセナスが愛しくてたまらない私です。
ガンダムUCテレビ版の最終回ということで、思うところを書きたいと思います。ほぼ「イデオン前章としてのガンダムUC」の話になります。
最初に結論を書いてしますが、シャアの怨念を昇華させてくれただけでなく、イデオンのトラウマをも払拭してくれたので、とっても満足でした、ということになります(笑)。

<シャアとフロンタル>
自分は「逆襲のシャア」が不完全燃焼で、特にシャアに関してずっとモヤモヤした感情を抱いておりました。つまりジオン・ダイクンの息子の人生が、あんな終わり方でいいのかよ、成仏できるのかよ、ということです。このときのシャアの怨念(イデオン的にいうと残留思念の一部)がフル・フロンタルに憑依する形になり、フロンタルが暴走していくさまを描いた物語がガンダムUCと見ることができます。なので、シャアの怨念が成仏しないかぎり、ガンダムUCは終わりません。アニメ版ではこの怨念がきちんと成仏したので、ようやくフロンタルの物語としてのガンダムUCは終わりました。最後にララァ、シャア本人にアムロまで登場するのは当然です。この3人が揃わないと「ララァ・スンは私の母親になってくれる人だったのに」というシャアの悲痛な思いを昇華させることができません。実はわたし、逆シャアのこのセリフが大嫌いだったんですけど、ガンダムUCのこのシーンでようやく許すことができました*1

<バナージ>
バナージは、宇宙世紀ガンダムではというか、ガンダム作品ではというか、もっというとロボットアニメでは例外的といってもいいほど、周囲の大人に恵まれた主人公です。ダグザ、マリーダ、ジンネマン、ブライトといった人たちの影響もあり、悩みながらも7つのエピソードの中で大きく成長していきます。後半になってバナージが言ってることが、カララさんそっくりな理想主義なのは、明らかにマリーダの影響でしょう。父親にはネグレクトされていましたが*2、それでも常にカーディアスの最後の言葉に従って、自分自身で考えて行動します。これが善き力の発動の原動力となったのは疑いようがなく、この力を自在にコントロールできるようになった最終盤のユニコーンガンダムは、まさに神に等しい存在だと言えます*3。この神の力は、イデのそれと同じなので、破壊の力にもなれば、創造の力にもなるという二面性を持っています。バナージが、どんな苦境にあっても「それでも自分は人の可能性を信じる」という心を持つことができたからこそ、善き力が発動したのだと思います。この部分は、自分を含めイデオンの悲劇をトラウマとして抱える人たちに、大きな感動を与えたと思います。

<リディ>
シャア、フロンタル、バナージというのはカリスマ性をもった主人公ですが、リディは過保護に育ったお坊ちゃまにすぎません。エリートコースを進んでいたはずが、バナージと出会ってからというものなにをやってもうまくいかず、好きな子にはフラレるし、自暴自棄になって暴れてとんでもないことをやらかすし、無意識的にサイコフレームと共振してゲロまみれ。いいところがありません。自分はそういう情けないリディに感情移入することができました。リディがずっと優等生だったら、こんなに好きなキャラになるることはなかったと思います。リディは箱の秘密を吐露することで、気持ちを整理することができ、さらにマリーダの残留思念や多くの人の支えを実感できことで真のニュータイプとして覚醒します。このシーンは2〜3秒しかないんですけど、その前がいろいろありすぎたのでとても感動しました。

<ミネバ>
ヒロインかと思いきや、狂言回しまでさせられたのが不憫でした。そういう立場の人なので、仕方のないことではありますが、ガンダムUCの登場人物の中では間違いなく最も前途多難そうなキャラです(;´Д`)

<マリーダ>
みんな言ってるように、マリーダさんこそ光だったよねっていう話です。

まだまだ言いたいことはありますが、バナージが知的生命体の意識の集合体たるイデ=サイコフレームの力に取り込まれそうになっても、最終的に戻ってきたのが素敵な終わり方だったと思います。富野さんだったら取り込まれて「行っちまったな・・・」「ああ・・・」っていうエンドにしかねないからさあ。あ、それはZガンダム(TV版)か(笑)

ということで、音楽が良かったのでなにか弾きます。
ガンダムUCからファーストまでを俯瞰するようなメドレーっぽいアレンジを考えているので、旧作のフレーズがいろいろ出てくることになりそうです。ピアノを弾いてると自然に出てくるのですわw

*1:何様

*2:これはロボットアニメの男子主人公のお約束

*3:この描写がわかりにくいのが難点。

君の名は。感想というか独り言の巻

見てきたので備忘録的に。ネタバレしますんで要注意。

  • ネタバレ
    • なにこのファイナルファンタジー
      • 夢の糸守町=夢のザナルカンド?
      • 瀧が見ている夢なので、いろいろおかしい。具体的には背景美術の彩度が異様に高いとか。
    • メテオならぬティアマト彗星
    • なにこのダークグリーン*2
      • 最後の15分間くらいは、ハッピーエンドにしろよ、現代で会えなかったら許さんぞ!って思いながら見てました。
      • ダークグリーンは相思相愛カップル*3が、どちらも死にはしないものの永遠に離ればなれになるエンドで、ものすごく切なくて、当時の読者にかなりトラウマを残したのです。
      • ちなみに、別れてからポロポロ泣き出す流れはダークグリーンそのまんまなのです。「あーこれダークグリーンと同じだやばいぞ」って思って、俺のほうが泣きたくなった。なので、再会できないエンドも覚悟したんだけど、そうならなくて良かったです。ベタな終わり方だけど、あそこは再会させてあげないと、この映画を見た人の心にしこりを残すと思うので、あれで正解だと思います。
    • なにこの攻殻機動隊
      • 俺とおまえのゴーストが囁きあったのさ(完)
  • キャラ
    • キャラデザ可愛い。
    • 神木隆之介長澤まさみがうまい。
    • その一方で、上白石萌音は最初から違和感があって、終盤でようやく自然になります。
      • 入れ替わりのときが特にひどかった。ひどいのにはおそらく理由があって、瀧がどんな男の子なのかさっぱりわからないので、演技のしようがなかったものと思われます。終盤になると、やらなきゃいけないことがもう決まっているから、演技のブレようがなくなりましたけど、最初はどうなるかと思いました。
      • 神木隆之介は入れ替わった時もうまいので、さすがだなとしか言えない。かわいいですw
    • 瀧がどんな子なのかわからないって書いたけど、神木ボイスってこともあって、どうしても喧嘩っ早いように見えなかったんですよねえ。あれは余計な性格付けだったと思います。
    • 三葉も瀧も、学校の友人たちはとてもうまく描けいていたのが印象的でした。
  • 演出
    • とにかくセンチメンタル。
      • 若年層には受けると思いますが、自分のようなスレッカラシには、ただのナルシストのように見えます。
    • 大人が描けてないと思いました。
      • というか、意識的に描こうとしてないですね。
      • 三葉が父親を説得するシーンをカットしたのは、逃げだと思いました。その前の山登り+山から降りるシーンはくどいくらい丁寧に描写していてダレ気味で「ここはカットしたほうがテンポが良くなるな」と思っていたので、肝心なところをカットしちゃったかんじ。
      • そういうシーンが前半にもあります。監督自身が編集しているので、こだわりなんだろうとは思いますけど、こういう悪いところが宮崎駿に似てるのはちょっと残念です。
    • 瀧の家族を全く描いていないのが気になりました。
      • 三葉の家族は3世代ガッツリ描かれていたので、バランスが悪いんですよね。瀧が最初から一人暮らしの大学生なら、ああいう描き方でも全然OKなんですけど、高校生なので。
    • なんでシネスコじゃないのだろう、って最初のカットから最後のカットまでずーっと思ってました。流星や彗星の長い尾を描くなら横長のシネスコ画面が最適なのです。しがらみは断ち切って、シネスコにできなかったのは製作委員会の影響でしょうか(穿ちすぎ)。
  • 製作委員会方式
    • ヒロイン声優と音楽を担当したバンドと、なによりこの陳腐なストーリーをゴリ押ししたっぽい。
    • ゆえにコアな新海監督ファンにはつらい映画になったかも。

*1:昭和アニメ脳

*2:佐々木淳子作のSFマンガ。名作。

*3:注:男同士

シン・ゴジラ劇伴(BGM)について思うところを書いてみたの巻

シン・ゴジラは、鷺巣さんのインタビューによると当初は劇伴をそれほど使わない予定だったそうですが、結局かなりの曲数が使われることになりました。このエントリでは、そういった背景を含めてシン・ゴジラの劇伴について、つらつら書いていきます。曲全体の調性表記は日本語にしますが、随時コード表記も交えます(笑)。全体的にネタバレするのでご注意を。なおこれを書いている時点で本作品は7回鑑賞しております。

メリハリの付け方

東宝ロゴ→ドーン、ドーン→タイトルロゴ(ゴジラの声)→映倫マーク(ドーン)。この部分がサントラ(音楽集)に入ってるので、劇伴として扱わないといけないのかなあという気もしますがそれは置いておくことにします(笑)。このあと蒲田に上陸するまで劇伴が一切使われず、「え?蒲田に?」→カットチェンジで蒲田の状況に移った瞬間に、サントラ1曲め「Persecution of the masses / 上陸」が始まり、けっこう長時間流れます。これと同様の演出はその後もあるんですが(タバ作戦失敗後にゴジラが都心に向けて進む間、サントラ12曲め「Defert is no option / 進攻」が延々流れる)、ゴジラさんはただ移動してるだけです。つまり、ゴジラが地上を移動してるシーンは音楽がつく。ゴジラが止まったら音楽も止みます。これが重要で、ゴジラが動いてるだけで音楽が流れるので、当初の予定より音楽の分量が増えのだと思います。あと、進攻であって侵攻でないのも重要です。この日本語標題は、庵野総監督がつけているので、漢字一文字でも意味があると考えるべきです。
ということで、上記のメリハリ感などを踏まえ、ストーリー構成と劇伴の流れを追います。

詳細解説

1.Aパート(ゴジラ出現〜いったん海に戻るまで)

  • 蒲田上陸までは劇伴なしで、ドキュメンタリータッチの演出がなされます。
  • ゴジラが蒲田に上陸
    • サントラ1曲目「Persecution of the masses (1172)/上陸」 ハ短調
      Massesとは、ミサのこと。合唱もミサっぽいですが、Aループ+Bループというシンプルな2部構成です。A部の冒頭から鳴ってるピアノのシーケンスフレーズが3連っぽいので拍子がわかりにくいですが、鷺巣先生は親切だから、リピートするときにアクセントを付けて「ここがスタートですよ」と教えてくれます。なお、このフレーズにはすでにゴジラのテーマ(この楽譜だと赤く記したミ♭レド)が潜んでいます。

      B部になると下記の息の長いメロディが合唱で歌われます。このメロディもゴジラのモチーフ由来で、合唱が歌わなくなっても弦楽器が延々と演奏をし続けて、最後はこのパッセージが徐々に小さくなって終わります。
  • ゴジラが第三形態に進化
  • 木更津のヘリコプター部隊出動
    • サントラ3曲目「11174_rhythm+melody_demo/対峙」 ニ短調変ニ長調(便宜的表記)
      いつものデンドンデンドン(音程で言うとレラレラレラレラ)とはフレーズが違います。ティンパニを減五度音程差で打ち鳴らすという、非常にアヴァンギャルドなパッセージから始まります。減五度はルートがわからないので、無調っぽい響きになるのが特徴です。中盤以降は、とにかくディンパニがD(レ)を連打してるのですが、最後の和音の畳み掛けで半音下がって変ニ調に転調します。すごい。

      このときは、自衛隊はなにもしないで退却して、ゴジラ自衛隊の様子をじっと観察しているだけです。なお、この曲は最終決戦で使われる「Under a Burning Sky」と同じ要素から成り立ちます(下記譜例)。今回は、これが自衛隊のテーマと言っていいと思います。

2.Bパート

  • ゴジラが去って平静を取り戻す東京
    • サントラ4曲目「Early morning from Tokyo (short)/報道1」 ハ短調
      この曲は、ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破で使われた「太陽を盗んだ男」のBGM「YAMASHITA」と同じ役割で、流れる映像も全く同じで中学生と思しき生徒の登校シーンも挿入されます。ただし音楽そのものは、Gm7/C → A♭M7/C → Fm69 → Hm7-5/G*1 という8小節のループとメロディを3回繰り返しているだけの、非常にシンプルな曲です。ループなので、1回聞いただけで耳に残りますね。
  • 海に去ったゴジラを捜索
    • サントラ5曲目「11174_light_edit_demo/索敵」 ニ調
      タイトルのとおり、サントラ3曲目「11174_rhythm+melody_demo/対峙」のバリエーションですが、D(レ)の音をガンガン鳴らして最後もレを強打して終わるので、はっきりと二調(ニ短調)を印象づけます。これが割と大事で、調性が動かないことで事態が動かない=何にも手がかりが掴めないことを表現していて、最後に「何にもわかりませんでした!」で終わってるわけ(笑)。
  • 巨災対結成
    • サントラ6曲目「EM20_rhythm_GZM/組織結成」 ホ長調
      最初なので原典に忠実に、かつシンプルなアレンジで登場。つまり前半はリズムだけで、後半になってようやくコードが加わります。徐々に熱気を帯びるラテン・パーカッションの演奏が素晴らしいです。調性的には、ここでホ調に上がっているのがポイントです。いままでハ短調ニ短調という、とにかく暗かったり、悲劇的な調性が続いたので、シャープ系のホ調に上がることで事態が好転するのではないか?という希望をもたせます。
  • Personal Service!!
    • サントラ7曲目「EM20_Jerry_GZM/情報供与」 ホ長調
      2回めなので、まだシンプル。やはり前半がリズムだけで、後半になってようやくコードが加わります。エレキギターが「俺もやっていいよね?」みたいに控えめにコードを刻みだすのがポイントです。
  • ゴジラ再登場
  • 第四形態だ!
    • サントラ9曲目「ゴジラ登場/「メカゴジラの逆襲」/脅威」 イ短調
      ここでようやく真のテーマが登場し、観客一同が「キターー!!!」というモードに突入します。モーションアクターとして萬斎さんが演じたのはたぶんここからだと思います。摺り足が特徴。
  • タバ作戦
    • サントラ10曲目「Black Angels (Feb_10_1211)/作戦準備」 変ロ短調
      名曲。エヴァQの「Betrayal(3EM25)」に近い曲で、使われるタイミングも似ているので、あの曲みたいに、という庵野さんのオーダーがあったかもしれないです。「作戦準備」は庵野さんがつけたタイトルですが、鷺巣さんは自衛隊ゴジラの両方をイメージして作ったと推測します。
      まず冒頭の金管楽器によるパッセージ。下記譜例のように3度上がって半音下がります。このパッセージは、最後の最後で思わぬ形で登場するので覚えておいてください。

      そのあとの合唱のメロディは半音階主体で、4小節かけて上がってから、4小節かけて下がります。下がる部分はクラシック音楽的に受難のモチーフと捉えることも可能です。
    • サントラ11曲目「Fob_01/タバ作戦」 変ニ長調ハ短調
      Black Angelsと同じパッセージで始まりますが、より意思の強いファンファーレになっていて、いよいよ総力を上げた攻撃となることを印象づけます。つまり「俺達はやるぜ!」という意気込みをもって始まるんですが、いきなり敗色濃厚なことが伝わってきます。

      さらに中盤以降、下記のパッセージが延々流れ続けるんですけど、とても勝てる気がしないメロディですわ。

      最後はダメ押しでこのパッセージをフォルティッシモで演奏して「負けました!」と宣言します。無念。
  • 何事もなかったように、粛々と進むゴジラ
    • サントラ12曲目「Defeat is no option (1197)/進攻」 ハ短調
      進攻を続けるゴジラに対して打つ手がない日本政府。時を刻むような弦楽器が、米軍による空爆が近づくことを予感させます。この弦楽器は音域が密集したマイナー系の和音で、なおかつ半音階で動くので不安感を煽る効果があります。

      中盤以降は、刻みに呼応して対位法的な動き方をするヒステリックな旋律が入ってきます。この旋律は弦楽器で演奏されたあとに、合唱がカノンで追従するので、エコーのような効果をもたらします。オーケストラと合唱が同じメロディをカノンで演奏することで、機械的で淡々としたニュアンスだけでなく、広がりのある世界観を表現しているのが素晴らしいと思います。また、それを表現するために、次第に弦楽器の低域が増強されていくのがポイントで、重苦しいハ短調の調性もあって、どんどん圧を増していく様子が見事です。

      こういうループ系の曲は、延々ループで押すか、あるいは変化をつけるかが重要な分かれ道になりますが、シン・ゴジラでは繰り返しの中で変化をつけるようになっています。これは、ただひたすらループを繰り返す曲が多かったヱヴァンゲリヲン新劇場版:Qとは好対照といえます。そのようになった理由は、もはやいうまでもなく、エヴァは繰り返しの物語であり、シン・ゴジラは少しでも前に進もうとする人の意思の物語だからです。なので、シン・ゴジラエヴァっぽいという評価や感想はあくまでも表面的なことであり、根本的な物語はむしろ真逆だと思います。それを劇伴が如実に表現しているといえます。
  • 米軍の攻撃とゴジラの反撃
    • サントラ13曲目「Who will know (24_bigslow)/悲劇」 イ短調
      この映画を見た多くの人が強く印象に残ったであろう名曲です。この曲も4小節メロディのループで、オーケストレーションに変化をつけています。

3.Cパート

  • ゴジラ進攻停止
    • サントラ14曲目「SS_103_GZM (Famously)/報道2」ハ短調変ホ長調
      エヴァQの音楽集に入っていた曲です(エヴァQ本編では未使用)。最後の方で変ホ長調に転調してメジャーで終わるので、少しホッとしますね。
  • 巨災対、再始動。
    • サントラ15曲目「EM20_Godzilla/再始動」ホ長調
      ピアノとフルオーケストラが力強く演奏するEM20です。
    • サントラ16曲目「EM20_CH_alterna_01/巨災対」 ホ長調
      驚きのエレキギターバージョン。どんどんフリーダムになっていくと同時に、ストーリーも「そんなのありかよ」みたいな方向にw
    • サントラ17曲目「EM20_CH_alterna_03/報告」 ホ長調
      ヤシオリ作戦の準備も整ってきて、勝てそうな雰囲気がしてきたので非常に力強いEM20になります。
    • サントラ18曲目「EM20_CH_alterna_04/共闘」 ホ長調
      ワカチョコギター+スラップベース+ラテン・パーカッションで始まって、ディストーションギターカッティングが締めるという、ちょっとプログレっぽいアレンジが最後です。
  • ヤシオリ作戦発動
    • サントラ19曲目「宇宙大戦争/「宇宙大戦争」/ヤシオリ作戦」 イ短調
      「はーい、ここからおバカなことが始まりますよー」という合図の音楽です。途中でピアノが滅茶苦茶な打楽器奏法をするところがあるんですけど、そこで高層ビルがドッカンドッカン倒れるのが痛快極まりないですねw
      しかし、この曲を当時演奏できた人は幸せですね。楽しくてたまらなかったんじゃなかろうか。トランペットは大変だけど(笑)
  • ひみつのくすりの投与(第1回)
    • サントラ20曲目「Under a Burning Sky (11174_battle)/特殊建機第1小隊」 ニ短調
      3曲目のリベンジ・バージョンです。無調っぽいノリですが、冒頭から最後まで一貫してチューバがD(レ)の音を吹いていて「これはニ調の曲ですよ!」と主張しまくりです。前半は短調長調かわかりにくい(減五度のティンパニのせい)ですが、中盤以降は明確にニ短調になります。しかしこのチューバはタンクローリーとかポンプ車がエンジンを吹かしている音にしか聞こえない(笑)。金管は通常の2倍人数だと思いますが、ミックスとマスタリングがうまいのできれいに分離して聞こえるのが良いと思いました。
  • ひみつのくすりの投与(第2回)
    • サントラ21曲目「Under a Burning Sky (11174_orchestra)/特殊建機第2・3小隊」 ニ調
      これもどうでもいい話ですが、この映画の序盤は「ナントカカントカの会議(第1回)」だらけなんですけど、第2回以降は開かれていたのでしょうか(たぶん開かれている。省略されてるだけ)。これはクライマックスの曲ということで、最後はカオス状態になりながら、すべての楽器がD(レ)の音に収束します。最後で一瞬メジャー終止になるかと思わせて、Dしか鳴らさないのでメジャーかマイナーかわからないのがいいですね。ゴジラは凍結できたけれど、決してこれで大団円というわけではないのです。
  • ラストシーン:好きにすれば?
    • サントラ22曲目「Omni_00/終局」 変イ長調
      前半は短三度下がって半音上がるメロディから成るコラール(下記譜例)を、5回繰り返します。

      全部メジャーのトライアド和音です。ここまでさんざん減五度やテンションコードで緊張感を煽られてきたのでホッとしますね。短三度下がって半音上がるのは「Black Angels」のイントロを反転させた構造ですが、和音のトップがファ・ミ・レと下がるのはゴジラのモチーフと考えてもよいかもしれません。なお、5回の繰り返しは毎回編成が違っています。まずシンセサイザー(このシンセサイザーの機種がわからないがすごく良い音色)から始まって、シンセ+混声コーラス、木管+コーラス、金管(ホルン中心)、そこにトランペットとスネアが加わり、・・・そしてフルーケストラが演奏する変イ長調ゴジラのモチーフに解決するときの安堵感が素晴らしいです。*2そう、実はこの最後のメロディこそ、ゴジラのモチーフ(ドシラ)が長調になったものです。わたし初回でそれに気付いたので、もうここで号泣するしかなかった!

      このドシラも4回繰り返されますが、こうして楽譜にするとタイミングをいろいろ変えて、変化をもたせているところが心憎いです。
まとめ

以上まとめると、鷺巣先生らしいアヴァンギャルドな感覚を生かしつつ、伊福部先生のゴジラのモチーフを随所に引用して、過去作との統一感にも意識をはらった素晴らしいサントラということができると思います。終曲の「Omni_00」は、最後のハープの駆け上がりがカヨコに投げたブーケで、トライアングルはヒロミに捧げただなんて、キザすぎでこっちが恥ずかしくなるようなことをCDのライナーに書いてますけど、わたしは4回連続するドシラで、矢口、赤坂、泉、そして最後に牧教授の顔が見えたような気がしました。この順番にはもちろんちゃんとした意味と理由があるんですが、それはナイショにします。「このフレーズは何を表現しているのかな?」と深読みして音楽を聞くのは楽しいものです。自分は最近ようやくそういう味わい方をできるようになりましたが、このシン・ゴジラのサントラも、そういう仕掛けがたくさんあると思います。

*1:適当

*2:イ長調は穏やかであたたかみのある調性。ショパンの「エオリアンハープ」とか。

シン・ゴジラ 放射熱線シーンBGM「Who will know」を演奏してUPしましたの巻

 
https://www.youtube.com/watch?v=P8syIpdwh8k       http://www.nicovideo.jp/watch/sm29433333

ボーカル入りバージョンをもとにピアノソロに編曲しました。
写真は、都内を歩き回って撮りました。丸の内KITTEの屋上で撮ったものが多いです。東京駅の俯瞰の絵とか、高層ビルを正面からとらえた絵がそれです。高いところが苦手なので、ほとんどガクガク震えながら撮りましたw

先日、立川の爆音上映に行きましたが、これでようやく3回目4回めなのであと3回くらいは見たいと思ってます。

※楽譜はこちらのサイトで入手可能
https://www.dlmarket.jp/products/detail.php?product_id=397597

シン・ゴジラ最高だったの巻

ネタバレ感想です。要注意。
現時点で2回しか見ていないので、認識や時系列がおかしかったりすると思いますが、気持ちが新鮮なうちにまとめます。

全体的な感想

まず、冒頭の東宝ロゴ3連発で勝ったと確信しました。圧倒的に勝った。まだ本編始まってないけど、圧勝したと確信したのです。
つづいて、ファーストカットでも勝ちました。エヴァ序と同じようなテンションで始まって、例のテロップがバンバン出はじめたところで、「OK、このノリでいくのね」「この庵野秀明は絶好調だから、この映画すごいことになる」と覚悟を決めました。うちらは*1エヴァ(特にデスリバあたり)のスピード感で鍛えられてるので、高速カット割りでも置いてきぼりを食らうことはないと思いますが、慣れない人は大変だと思います。最初から最後までテンションが高くて、とても気持ちがいい映画でした。でも、この映画の魅力はそこだけではありません。

ゴジラ第一(ニ?)形態の侵攻の描写が津波っぽかったり、放射線モニターの映像がSPPEDI風だったりと、随所に東日本大震災を意識した映像がありました。しかし、描かれているのは災厄の悲惨さや被災した人の悲劇ではなく、それを乗り越えようとする人々の力強さです。誰ひとりとして諦めず、一人ひとりが、自らの役割を果たす。そんな人々のちからを、ポジティブに描いた群像劇だったと思います。
見終わった後、出張で関西に向かうために新幹線(もちろんN700系)に乗ったのですが、林立するビルを見上げながら、このビル群がゴジラに破壊されるのかと、感慨に浸りました。虚構と現実の交錯ですね。
また、いままでの庵野さんの作品は、映像そのものがかっこよかったり、ストーリーに感動したりということはありましたが、エンタメ的な要素が強かったので、伝わってくるテーマみたいなものは、良くも悪くもあまりなかったと思うんです。
シン・ゴジラも極上のエンタメ作品ですが、震災後の日本をポジティブに捉えるメッセージが明確に打ち出されていました。これは、意外に思いましたが、素直に嬉しかったです。自分はペシミスティックに(悲観的に)考えて生きるのはつまらないと常々思っていますが、この映画も、どんな状況であっても将来には希望を持っていこう、われわれにはそれができるはずだ、と力強く伝えている映画だと思います。

細かなここと

<キャラクター描写について>
シン・ゴジラエヴァと似ているのは、映像表現や劇伴(BGM)といった、あくまでも表面的な手法だけです*2。ほかはかなり異なります。真逆と言っていいこともあります。
たとえば、エヴァは各キャラクターの掘り下げるために、内面をしっかり描いています。特に新劇場版は「碇シンジの物語」と言い切るほどシンジを掘り下げていますけれど、シン・ゴジラはそういう繊細な人物描写をほとんど捨てています。大事なのは個々の登場人物ではなく、周囲で起きているドラマである、という宣言をしているようなものです。そのドラマの中で、それぞれの登場人物のひととなりが見えてくるような、巧妙な作りになっています。なので、中盤以降は次に喋るセリフが予想できるようになるんですね。画面を見ながら、やべぇついキレちゃったよ水を飲んだあとで「すまん」って謝ろう、とか、こんなことで歴史に名を残すことになるなんて、とか、登場人物と全く同じことを考えるようになってしまいます。これはすごい。たった1時間かそこらで、主要な登場人物の言動が自然に理解できるのです。
こんな感じで、ドラマの中で人物描写をすすめるのが基本路線の中で、他人からがっつり掘り下げられていくキャラクターがいます。それが、ゴジラであり、牧博士なのです。
だから、やっぱり牧博士はゴジラに取り込まれたと見るのが妥当だと思います。「食べられた」でもいいと思う。碇ゲンドウかよ、と突っ込みましょうw*3
しかし、登場人物はみんな個性的で楽しかったですね。主人公ポジションの矢口蘭堂が意外と熱血漢で、それを抑える赤坂さんは、名前は赤いけどいわゆるアオレンジャーのポジションに相当すると思います。もちろん、キレンジャーもいます。本作ではキレンジャー(すでに自分の中ではこの呼び方が定着した泉さん)が裏方として大活躍です。政治の裏方というか、調整役の人にスポットが当たるのは珍しいのではないでしょうか。
あと津田寛治が演じる森文哉(厚生労働省医政局研究開発振興課長)*4と、彼がトップを勤めるマッドな連中が集まった組織が最高にイカしてました。科学忍者隊のスタッフですね。
命令を出す前にやたら溜める首相がすごくよかった。首相は2人出てきますけど、どちらも劇中で変わっていく(好きなことをやるようになる)のがかっこいいです。微妙なため具合、声の調子や表情の違いで、変化を表現していました。さすがですね。カヨコも、日本人見下し状態から、徐々に「日本けっこうやるじゃん」に変化していくのがアメリカ人らしいと思いました。
ちょっとしか登場しない豪華俳優陣の配置も的確でした。そしてピエール瀧は、ここでもやっぱりめちゃくちゃかっこよかった。

<構成や演出について>
エヴァのアスカ+ミサトっぽいカヨコの登場で、一気にトンデモ世界に突入するのが面白かったです。前半は、ゴジラ本体以外は徹底的にリアリズム路線でドキュメンタリータッチなのに、カヨコの登場とともに、フィクション度が急上昇します。ひとつまちがえるとマンガになってしまう恐れもある中で、事態の緊迫度も上昇して、深夜の東京大破壊(屈指の名シーン)や、核兵器、牧博士の残したヒントなど、最後の戦いに向けて収束していく演出はさすがでした。あと緩急の付け方が秀逸で、「中略」を始めとして、切るところをバッサリ切りつつ、戦闘シーンはリアルタイムで展開するので伝令も1段階ずつ描写するなど、カット割りを含め緻密な計算がなされていたと思います。戦闘自体は、あらかじめやることを決めておいて、プランどおり粛々と実行していくというリアルな描き方です。武器を撃つ前にやたらと溜めるアニメや映画は、反省すべきですよ。

<映像表現について>
真っ昼間に堂々とゴジラを上陸させるのがチャレンジだと思いました。CGのウソがバレやすいのに。
あとゴジラの形態変化はびっくりしました。っていうか、自分たちが知ってるゴジラの形になって、第4形態です!というセリフが入るんですけど、「えっ、第1〜第3ってどれ?!」って思いましたよw*5最初の上陸形態が第二なんですけど、知ってる形じゃないからショックがすごかった。夜間の東京大破壊は、たぶんゴジラ映画史上に残る名シーンだと思います。最終決戦は無人運転列車爆弾で頭パーンなりました。頭パーン。最高ですわ。

<音楽について>
音楽は、当初はあまり使わない予定だったようですが、結果的には尺の半分くらいは音楽が流れっぱなしでした。昔の音楽を積極的に使っているのがポイントですね。サントラCDで鷺巣先生+早川さんが同じ曲に対してそれぞれ詳しい解説を書いているので、とても参考になります。エヴァンゲリオンでおなじみEM20(デンデンデン・デン・ドンドン)を5回も使いますが、毎回アレンジが違っています。また、エヴァQの音楽集に収録された*6「Famously...」が非常に効果的に使われています。
今回、音楽のせいで泣けてしまったシーンがいくつかありまして、一つはいうまでもなく「ゴジラゴジラゴジラメカゴジラ」ですが、エヴァQのKindred Spirtsを彷彿させる名曲「Who is know」や、無人運転N700系が突っ込んでく場面の宇宙大戦争とか、庵野さんの選曲センス本当に最高だと思いました。サービス精神がありますね。

まだ書き足りないことがあると思うんですが、とりあえずここまで。サントラから何か弾く予定ですwww

Who will knowの楽譜です。

*1:うちらってw

*2:この件に関しては、エヴァで使われる手法ががゴジラに似ているというべき

*3:牧博士とゲンドウの類似性は語られ尽くしてるので割愛

*4:長い

*5:それを確認するために2度めを見ることになる

*6:エヴァQ本編では未使用

劇場版:蒼き鋼のアルペジオ ARS NOVA cadenza サントラから 「追憶のロンド」を演奏してUPしましたの巻

 
https://www.youtube.com/watch?v=sN9Aa3PmWGE     http://www.nicovideo.jp/watch/sm28776933

3月にとりかかって、2ヶ月近くを要してなんとかUPにこぎつけました。
ピアノで演奏→原曲どおりハープで演奏→原曲そっくりで面白みがないので改めてピアノで演奏。という手順でできあがりました。繊細なタッチやデリカシーが要求される曲で、しんどかったです。動画だと簡単そうに弾いてますが、このレベルになるのにかなり真剣に練習しました。
ちなみにムサシの髪の色(銀色)のネクタイして演奏ましたが、チラッとしか映ってないのが悲しい( ;∀;)
あとニコ動のコメントでさっそくcadenza版のSilver skyのリクエストが入りましたが、そんなの言われなくても弾きますからw