ヤノシュ・オレイニチャク ピアノリサイタル@石川県立音楽堂の巻

プログラム:本編は全部ショパン

第一部終了後にトークがあり、今回のテーマが「サロンのショパン」ということで、性格的小品がメインになっているということと、即興的にプログラムを変えたことを釈明。なにしろ、バラード1番は予告では幻想即興曲だし、英雄ポロネーズは後半の最後に弾く予定でした(笑)。

演奏内容は、マズルカはとても慎重に弾いて精度高いと思いましたが、ほかの曲はかなりフリーダムでニュアンスなどは即興的に作っているようでした。フレーズの改変も(問題にならない範囲で)やっていたのが面白かったです。
アンコールの花火が素晴らしかった。楽曲を完全に掌中に収めた演奏で、不自然なことが何一つなかったです。

Moog SUB37 tribute edition 購入の巻

久しぶりのアナログ・シンセ購入です。そして、moog(ムーグではなくモーグと呼ぶのが正式らしい)のシンセを所有するのは初めてです。いまはあまり電子系の音楽をやっていないので、それほど活躍する機会はないと思いますが、遊び用で買いましたw
この機種はSUB PHATTY*1の回路に、さまざまなパラメータを追加したものだそうです。そのためパネルのノブやスイッチ類がものすごく増えていて、音作りの幅が広がっています。まだ使いこなせていない状態ですが、いくつかポイントがあると感じたので簡単にまとめます。

・連続可変波形なVCO
Tri~Saw~Square~Pluse が連続可変になっています。元波形の倍音成分は他社製品と比べると少なめで、少し鼻づまり感があってmoogらしい音色だと思います。

・2つのLFO
高速モジュレーションが可能なLFOが2つあります。これは最近のアナログ(系)シンセのトレンドですね。

・ミキサーセクションのフィルターフィードバック
SUB PHATTYにもあったパラメータで、甘く歪んだ太い音になります。なんでもかんでも使いたくなる危険なつまみ(笑)

・フィルターセクションのマルチドライブ
これもSUB PHATTYにもあった謎のパラメータで、やはり歪み系。アナログシンセは歪ませても音痩せしにくく、デジタルシンセのような折り返しのノイズも出ないので大変効果的です。

・フィルタースロープが4段階可変
-6、-12、-18、-24dB/Octの4種類のフィルターが選択できます。スロープの選択を間違えると、思ったような音作りができないので注意が必要だと思いました。当初は-12と-24だけでいいんじゃないかと思ってたんですが、-6dB/Octも OberheimKORG MS-20 的な味わいがあって、捨てがたい魅力があります。*2

<操作性の印象>
LFO、フィルターカットオフ、ADSRなどゼロ~最大値を扱うつまみを回したときの反応が対数的です。つまり値が低いほど分解能が高くなるように設定されているので、微妙な音作りがしやすいです。シーケンシャルのシンセは整数的なので、つまみの回し方に神経をつかうんですけど、moogは雑に回してもあまり問題がないです。
あとはモジュレーションが非常に多彩で、Prophetもビックリという感じなので、つかいこなすのに時間がかかりそうです。
MS-20を使っていたときは、一度作った音色はパッチングを含めパラメータを覚えていたんですけど、このくらいパラメータが増えるとさすがに無理なので、音色メモリーやPC連携機能が付いていて本当によかったと思ってます(笑)。

<サウンドの印象>
上品な音色で、あまりエフェクトを使わず素のサウンドを活かしたほうがよさそうだと思いました。

*1:宮川彬良先生がご購入

*2:これでMS-20のフィルターが-12dB/Octより若干キレが甘いのではないか?という疑念が確信に変わった(笑)

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 新作BGM「接近」を弾いてみた


宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 新作BGM「接近」を弾いてみた

昨年のヤマトーク road to 2202 のときに聞くことが出来たヤマト2202の新作劇伴を弾いてみました。

harnoncourt.hatenablog.com

 冒頭の高音域をINTEGRA-7のSN音源で弾こうとしたら折り返しノイズがきつくて使い物にならなかったので、JV-5080互換シンセのほうで弾いてます。あと、moog SUB 37というアナログシンセを買ったので、こいつも参加してます。

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低音担当で参加したんですけど、同じ音色を6オクターブ上げると冒頭の演奏もできるという、非常に幅広い音域で安定したサウンドが得られるシンセだと思いました。一瞬、全部このシンセの多重録音で作ろうかと思ったんですけど、なにしろモノフォニック(単音)シンセなので、何十回も重ねる根性はありませんでした。

でも、最初にシンセ買ったときは何十回も重ねたんだよなあ(遠い目)

ユーリ!!! on ICE 愛について ~Eros~ を演奏してUPしましたの巻


ユーリ!!! on ICE 愛について ~Eros~を弾いてみた In Regards To Love - Eros (piano cover) sheet music

やりました。全力のエロスです!

某社から出版されたピアノ譜があまりにもひどかったので、俺様が見本を示してやるみたいな気持ちでアレンジしました。弾きやすく演奏効果が高いものを目指したつもりでしたが、弾きにくくて演奏効果も微妙な感じな部分も多く、なかなか思うようにはいかないものですね。

当初は演奏指示を入れておらず、音符だけの楽譜でした。この状態で演奏しても起伏に乏しい感じになってしまいます。リズムパターンが最初から最後まで同じなことが原因なんです。これはもう、最初からヤバいってわかっていたのですが。
そこでまず、デュナーミク(強弱表現)をつけて、ついでにリズムの扱いもパートごとにはっきりした特徴を出すことで、楽曲としてのドラマを作り上げた感じです。アレンジが4日で、表情付けの修正に2日かかってます。

結果的にとてもドラマティックな仕上がりになったという自負はありますが、ほとんどそういう演奏表現で作り上げたものなので、われながらしっかり弾けたなあと褒めてやりたいです。ショパン舟歌を勉強したことも役に立ってます。細かなキズはあるんですけどね、まあ勢いが大事だと思うのでよしとします。

あと動画の説明にも書いたとおり、イメージはカルメンです。ラストの一番盛り上がるところは男を捨てていますが、カルメン自身も涙も流しているという解釈で、思いっきり切なく弾いてみました。

ユーリ!!!は、もう少しスケトラを弾きたいと思っています。
・Yuri on ICE(練習中)
・賑やかな南くんの曲
・離れずにそばにいて
この3曲はぜひとも弾きたい。放映中のオンタイムで弾ければよかったんですけど、こういうのは楽曲を自分の中で消化してからでないと弾けないので、急がずじっくりやっていきます。

 

ユーリ!!! on ICE のBGMをいろいろ演奏してUPしましたの巻(第6回)


ユーリ!!! on ICE 10話 教会シーンBGMを弾いてみた Yuri!!! on ICE ep 10 OST (in church) sheet music

ユーリ!!!の劇伴もそろそろ(ようやく?)ネタ切れになってきましたけど、10話の教会シーンで流れたRocking carolと、2話でちょこっと流れたショパン舟歌を弾きました。Rocking carolは完全に前座扱いで、オマケと称した舟歌がメインというひどい動画ですw

舟歌は2話で聞いてやっぱり名曲だなあと思って、劇中で流れた部分(コーダ)からラストまでなら弾けそうだったので、昨年から練習に取り組んでいました。ただ、いきなりコーダのPiu Mossoから始まってしまうのは、やはり違和感があるということで、FS用編曲のような感じで、原曲の最初と最後をつないでみました。
演奏は最初から最後まで、本当に全部難しくて大変でした。心がけたのは、フォルテでもドカ弾きしないこと、フォルテでも流れを失わないこと、フォルティッシモで破綻しないこと、等々とにかくフォルテに関する諸注意と(笑)、そうは言っても楽曲への想いやユーリ!!! on ICEへの気持ちなどを熱く、力強く表現したいと思っていたので絶対にリミッターをかけないという心構えでした。繊細なディテールとかそういうのは、あくまでも副次事項です。

全体的にトリルが怪しいのは、純粋に演奏技術がないからです。特に下記の部分が演奏困難で、トリルでなくただの32分音符になっています。これはどうしようもなかったです。

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あとはペダリングで、かつてないほどハーフペダルを多用しました。電子楽器なので全開で踏みっぱなしでもあまり影響ないんですけど、例えば下記のような部分で踏みっぱなしにすると、さすがに低音がうるさいです。

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クリスティアン・ツィメルマンなどは、この楽譜の通りに左手が16分音符になるところでペダルを上げているので、リズムが強調されて少々硬いニュアンスになっています。自分は流麗に弾きたかったので、この部分で半分だけペダルを踏み込んでいます。あと冒頭の、左手の単音で同様の伴奏系で演奏される部分も同じようにハーフペダルです。

舟歌のこの伴奏をどう表現するのか、ずっと悩みどころだったんですが、今回自分の中で回答を見つけることができたのは収穫でした。

いまごろシン・ゴジラネタの巻

 シン・ゴジラの最初の感想ですが。

harnoncourt.hatenablog.com

こちらの記事で、戦隊モノだと矢口が赤ポジション赤坂が青ポジションて書いたんですけど、はいこの写真のネクタイに注目。

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ほんとうに赤と青だったよ!((((;゚Д゚))))

いまごろ写真見てビビったよ!この色のネクタイをチョイスしたのだれですか?すごすぎなんだけど!こんなところまで、こんなところまで作りこんであるってすごくないですか?
それと、この写真でもわかるけど、矢口さん微妙にスーツのサイズが合ってなくて、ちょっと肩がダブついてるんだよね。自分も初見時から気になっていたというか*1オーバーサイズのスーツ萌えるわ~とか思ってたんですが(変態)、これが矢口の子供っぽさのあらわれとかいう考察もあったりして、みなさん深読みがすごすぎ。
あと今思い出したけど、矢口さんの部屋に0系新幹線D51の模型飾ってなかった?矢口先生は鉄なの?鉄っちゃんなの??
うわああああもう早くBlu-ray見たいです。でもその前にジ・アート・オブ・シンゴジラが届くのね。順番が逆じゃねえかという気がします。

*1:私はスーツフェチです

ユーリ!!! on ICE のBGMをいろいろ演奏してUPしました(第5回)の巻


ユーリ!!! on ICE のBGMを弾いてみた5 - 楽譜付き Yuri !!! on ICE OST (piano cover sheet music)

ユーリ劇伴演奏動画も、とうとう5回めです。
実は前回で終わりにしようといていたんですけど、YouTubeのコメントでご要望をいただいたので急遽採譜して演奏しました。3曲では時間が短かったので何かもう1曲弾こう、ついでにコスプレもしたいな勇利のウインドブレーカーも買っちゃったことだしと思って、それで最初は「離れずにそばにいて」を弾こうしましたが、第1話の勇利のコスプレでこの曲弾いちゃうのはもったいないなと思ってやめました。その代わりにHistory Makerです(笑)

ユリオとオタベックの曲は5拍子で難しかったです。バッハの平均律のプレリュードっぽいので、前奏曲にしました。二人の友情も始まったばかりです。

12話ラストの曲は、槇原敬之さんのアルバムのタイトルを拝借しました。どこかで使おうと思っていて使えなかったので、良かったです。

HIstory Makerは正真正銘の一発録りなので細かいところは目をつぶってください(汗)
これを聞きたかった人がいるようで、さっそく感謝のメッセージをいただいてしまいました。

2ヶ月で動画5本とか、これほど短期間にたくさん演奏できるとは思っていなかったんですけど、半分くらいの曲が「Yuri on ICE」のバリエーション(変奏曲)だったので、採譜は比較的容易でした。やはり、何か核となる楽曲があって、そこから派生した劇伴を多く用いることで、音楽的な統一感が取れていたと思います。スケトラが多彩でバラエティに富んでいるだけに、こういった統一感の表出は、とても重要ではないかと感じました。

今度こそユーリ!!!の劇伴シリーズは終了だと思います。
あとはスケトラでいくつか弾きたい曲があるので、弾くと思います。「離れずにそばにいて」がずっと弾きたくて、ようやく頭の中でアレンジがまとまってきたので、頑張ります。