宇宙戦艦ヤマト2202 第五章 煉獄篇 最速先行上映会の巻(ネタバレなし)

今回の上映会はファンクラブ先行販売で落選者が出るなど、ようやく盛り上がりはじめた感のあるヤマト2202です。いよいよ後半戦に突入です。

この作品は、撒かれたパズルのピースを組み合わせるように進行していると思います。最大のピースはもちろんヤマト2199の置き土産の波動砲問題で、これはじっくり13話かけて結論が出ました。でもピースの置き場所ができて万歳ということにはなっていません。悲しみと痛みに満ちた結論です。そして、この部分がヤマト2202という作品の中核になると思いました。「縁は育つ。ときに痛みを伴いながら」テレサが語っていますけれども、そのとおりのストーリー進行です。

第五章では、地球対ガトランティスガミラスが絡む大きなストーリーの中で、さまざまなキャラクターの縁と、それに伴う痛みや悲しみが丁寧に描かれていて感心しました。

上映開始前の舞台挨拶で福井さんが「前半はキャラクターの濃厚な芝居で、後半は濃厚な戦闘シーンで、全編濃厚」みたいなことを言ってたんですけど、前半もがっつり戦闘シーンが入っていますし、後半もかなり濃厚なキャラクターの芝居が入っていて、某キャラクターの声優さんの演技に泣かされました。必見でございます。

※追記

戦闘シーンは、個人的には無くても良かったです。ヤマト2202に戦闘シーン不要という気持ちは第1話から一貫していますが、とりわけヤマトが絡まない戦闘シーンは不要だと思います。何よりズォーダー大帝がそう考えていそうなのです。ヤマトが絡まないとズォーダーさんが出てこなかったり、無意味な行動を取るんですけど、それはつまり福井さんがシナリオ書いてない場面ということではないかと思います。設定的にも辻褄が合わないことが多いですし、首を傾げたくなるような描写も多いです。ゆえにそのような戦闘シーンには価値がなく、ゆえに無くてもいい(ゴーランド=ノル感)。

ヤマトやヤマト乗組員が絡んだ戦闘シーン*1は、キャラの芝居の場として機能しますからとりあえず必要です。これも第1話から一貫しています。また戦闘に絡めて、ストーカーのようにヤマト乗組員*2に対してズォーダーの影が付きまといます。ズォーダーは愛を否定する根拠を積み上げるために、ヤマトを利用しています*3。なぜそんなことをするのかというと、やはりズォーダー自身が本当は愛を恐れているからだと思うのです。ゆえにズォーダーに愛を認めさせたら勝ちです。ガトランティスを倒したら勝ちというわけではないのです。自分はこの部分が旧作との最大の違いであり、ヤマト2202の根幹であると感じています。そしてわたしが望むのは、ヤマトがガトランティスを徹底的に倒したあとで古代が泣きながら「我々は愛し合うべきだったんだ!」と言うラストシーンです。旧第一作のこのセリフは、波動砲で敵艦隊を蹂躙したヤマト2202でこそ重みを持ちます。勝利か…クソでも食らえ!

*1:デスラーもここに加わりました

*2:デスラーもここに加わりました

*3:デスラーもここに加わりました

ナタリー・シュトゥッツマン & オルフェオ55@紀尾井ホールの巻

オケを指揮しながら歌ってしまうナタリー・シュトゥッツマンの演奏会です。ピアノと相性が悪い紀尾井ホールも、小編成の室内楽オーケストラとボーカルというこの演奏会では極上の音響空間になりました。

シュトゥッツマンはもちろん指揮に歌にと大活躍でした。指揮台に乗らない指揮ぶりは、どことなくアーノンクールを彷彿させました。音楽のつくりも、弦楽器のノンビブラート奏法や、キビキビとしたアーティキュレーションなど、古楽の特性を生かした躍動感あふれる演奏を堪能させていただきました。フレーズが走り出す加速感の表現が素晴らしかったです。

ピアノリハビリ:現状の巻(2)

リハビリを開始して1週間。おぼつかなかったハノンの全調スケールがなんとか弾けるようになってきているものの、不得意な調性はまだ全然だめです。具体的には3-4の開きが要求される和声的マイナー・スケールでいくつか弾けないものがあります。嬰ハ短調嬰ヘ短調変ロ短調あたり。そのあたりは自分が一番よくわかるので、とりあえず放置で、そういう調性の曲をやるときに重点的に練習することにします。

ということで、月光第三楽章を弾いてみましたが(いきなり嬰ハ短調)、1週間前より音抜けせずに鳴らせるようになっていたのでよかったです。

ピアノリハビリ:現状の巻

ずっとYouTubeにピアノ演奏動画をUPしてるのに、いまさら何をリハビリするのかと思われるかもしれませんが、主にスタミナ(長時間安定して演奏できる体力)のリハビリになります。YouTubeにUPしてる動画の大半はラクに弾けるもので、そうでないものは数小節単位のツギハギなので、スタミナが要らないんです。きょうはいろいろ弾きながら現時点の状況を確認してみました。

  • ツェルニー40番とか50番、過去に演奏したことがあるショパンチュードは、左手パートは予想以上に難なく弾けるけれど、右手を開く動作がうまくできなくなっている。この部分はリハビリが必要。
  • ハノンの全調スケールがガタガタ。アルペジョもひどい。
  • ふだんから意識的に練習していた連打系の技術は、以前よりかなり良くなっている。手首、肘、肩の関節の動きの分担が効率化している。
  • 読譜力は落ちていない。むしろ向上している。

ということで、手を開く動作のリハビリと、スケール&アルペジョの鍛え直しを計画中です。

毎日のピアノ練習を再開したの巻

ながらく病弱キャラをやってきた私ですが、冬頃から体調が良くなってきて、だるい・調子が悪いと感じる日がだいぶ減りました。奇跡のような回復です。

そんなわけで、とりあえず毎日1時間を目安にして、英雄ポロネーズとかを弾いてた時期(2010年)のレベルに戻すのを目標に、毎日のピアノ練習を再開しました。指先~手首~肘~肩の筋肉や座った姿勢を支える体幹など、ありとあらゆる部位のスタミナが落ちてるんですけど、徐々に戻ってくるでしょう。

ピアノのことになると、慌てず急がず継続的に物事を進められるので、本当に好きなんだなあと思います。クラシックピアノのメソッドで練習を進めているので、たまに成果発表でなにかUPするかもしれません。毎度のごとく予定は未定ですが、最低限ベイビー・ピアノ・ステップで取り上げた曲はUPする義務があると思ってます。頑張りすぎない程度にやりますね。

おっさんずラブの巻

由緒正しい主人公総受けのBLコメディマンガみたいなドラマ。主人公の年齢設定が33歳で、通常のBLマンガや小説より7~8歳上になっていることで、年上からも年下からも好かれるという状況を表現できていて、うまいなあと思いました。

受け主人公は自己肯定感低い非モテで、攻めメンズは仕事ができるイケメン勢というよくあるハーレクイン&BL系のフォーマット(もっというと対女性エンタメ用フォーマット)に則っています。これはBL慣れしてる人間にとってはマンネリな設定ですけど、マンネリゆえの安定感というか安心感があります。

初回からキスしちゃってるけど、今後は延々寸止めが続くと思うし、田中圭の変顔が最高に愉快なので楽しみに見ようと思います。しかし、はるたん&牧くんのおそろいのネクタイとか小ネタに気づく視聴者すごい!(笑)

ガンダムTHE ORIGIN VIを見てきたの巻

細かなところで気になることがあったので原作漫画を読み直して確認してみましたが、原作通りでした。どこが気になったかと言うと、地球連邦の首脳陣がオフレコの状態で戦争継続を確認する場面で、それわざわざ口に出していうか?というようなセリフを、公然と話していたからです。原作だとサラッと流しているので気にならなかったけれど、実際に画面になってしまうと、ものすごくわざとらしいし、嘘くさいですね。

人間は戦争をしたい生き物だ、ということをジオンと地球連邦の双方の首脳が口に出していうんですけど、ジオンのほうはキシリアマ・クベの歌舞伎だからまだいいと思いました。地球連邦のほうは本当の政治の話なので、ああいう言い方で口に出したらドッチラケです。でも口に出させずにはいられないのが、安彦演出なのです。そしてこういう芝居を私は好かぬ。

大好きなキシリア様のセリフを借りて批判させていただきました。

富野氏はガンダムGのレコンギスタで同じこと(人間は生来争い好きな性格であるというテーゼ)を状況描写で表現していたので、安彦氏とは対照的です。Gレコではクンパ・ルシータという狂言回しのようなキャラを使って、戦争好きなキャラクターたちを煽っていたんですが、尺が足りなくて使いきれなかったのは惜しかったです。

安彦氏のようにセリフで表現すると尺も使わないで済むし、見ている側にも伝わりやすいということが改めてわかりました。でもこういう演出からは、セリフで言わないと視聴者は理解できないだろう、という製作側の意図も見えるのです。あまり視聴者をバカにしないでいただきたいものです。