チョソ・ミョソフソのカルメソの巻

ちょっと遅くなっちまいましたが、藤原歌劇団の「カルメン」を観てきました。指揮はチョン・ミョンフンでオケはフランス国立放送響。
自分が観たのは初日だったのですが、メイン出演者の3人が代役になってしまうというアクシデントがあったわりにはかなり良かったです。ただ、一番見事だったのがオケと合唱団の演奏だったというのは事実。あそこまでオケ+合唱団が雄弁になっちゃうと、ソリストは相当な力量を持った人でないと対抗できないと思います。チョンには脱帽。テンポアップするときに感じさせる強力な推進力、舞台進行に合わせた絶妙なデュナーミクなど、このオペラを知り尽くしているのがよくわかりました。あとチョンの意向のようですが、極端なまでに台詞を排していたので場面遷移が唐突な箇所もいくつかありました。でもこの有名な作品のあらすじを知らない人がいるとも思えないので、大した問題ではないでしょう。
当日はかなり暑かったんですが、それがまた良かった。このオペラの持つ独特な熱っぽさを感じるには、気温は高い方が良いですね。フィナーレで、着飾った観衆たちが大騒ぎして大合唱しているなか闘牛士の入場してくるシーンで気持ちが高揚することといったら!また、その気持ちを盛り上げる音楽表現も見事でした。