テンペストに取りかかるの巻

幻想即興曲も一通り弾けるようになってしまったので、新しくやる曲をいろいろ考えていたのですがベートーヴェンテンペストに決定です。この曲は第一楽章が非常にカッコいいのでずっと弾いてみたい曲リストには載っていて、けれどメカニック的につらそうということでペンディングになっていたのね。しかしショパンソナタまで弾けるようになったのだから、これが弾けないわけはないだろうと取り組むことにしました。テンペストというと一般的には第三楽章が異様にポピュラーで、かくいう私も「赤い激流」という番組の影響で小学生の頃から「ラファミレ、ラファミレ」だけを弾いてたわけですよ(笑)。それが30年近い年月を経てようやく全楽章を手がけるというありさま。
私はベートーヴェン中期のソナタは絶対に弾いておくべきという強迫観念のようなものを持っていて、今回も月光かテンペストかで悩んだのですが、幻想即興曲と同じ嬰ハ短調の月光を弾いても仕方ないだろうと思いまして。で、いざ譜読みを始めると拍子抜けするくらい簡単です。メカニック的に難しいことは何もない。確かに第一楽章のトレモロを綺麗に弾くのはそれなりの力量が要りますが。実際弾いてみると第一楽章の持つ特殊なソナタ形式と、第二楽章の充実ぶりに驚きます。