HEAT−灼熱− 武論尊&池上遼一

タイトルそのまま熱い漫画でした。絵的には池上遼一の考える「いい男」が存分に描かれるので、池上ファンは必見だと思います。男性の登場人物と比較して女性のキャラ立ちが弱いのですが、男性中心のドラマという視点がぶれないので、かえって清々しいと思いました。全体としてはストーリー展開が非常に速く、息継ぐ間もなく事件&アクションシーンが連続するので一気読みすると疲れます。あと藤巻のオッチャンには明らかに死亡フラグが立っていたのですが、連載中に人気が出てしまったようでフラグ回避したあげく、最後のほうはやたらカッコいいのが笑えます。武論尊はサービスしすぎ(笑)。
ストーリー上の欠点になりますが、5年後の世界でガクッとリアリティが無くなったのが惜しかったです。あと、ときおり各キャラの過去の回想シーンが挿入されるのですが、それがワンパターンです。最初はキャラ設定が明確でなく、あとから「実はこいつはこういう過去だった」と付け足しているのが読者に見えてしまいます。これは少年誌で培った技だと思いますが、青年誌では通用しないのではないでしょうか。