ベートーヴェン ピアノソナタ第12番のつづきの巻

第三楽章を練習してます。思いっきり葬送行進曲なのですが、ショパンはこのアイディアをパクってあの有名なピアノソナタ第2番を書きました。ポリフォニックな付点和音での進行、低域に出てくるトリル絡みの対旋律など、ほとんどそのままパクってます。しかもベートーヴェンの方が曲としての完成度が高いです。*1ベートーヴェンの12番は第一楽章に長い変奏曲を持ってきてしまったためか、その後の第二〜第四楽章は必要最小限にまとめています。これがすっきりした構成感を生んでいると思いました。
などとベートーヴェンを褒めちぎっていますが、実はピアノソナタの第一楽章に変奏曲、第三楽章に行進曲を持ってくるアイディアはモーツァルトの「ピアノソナタK.331(トルコ行進曲付き)」からのパクリです。このベートーヴェンらしいパクリ&変奏大好き傾向は後年驚くべき進化を見せます。ディアベッリ変奏曲においてはさまざまなオペラから盛大にフレーズをパクって絶妙な諧謔性を聴かせ、一方ではピアノソナタ第30番、32番のフィナーレを飾る至高の変奏曲へと到達するのです。

*1:ピアニスティックな面白さはショパンの方がはるかに上ですが、時代が違いますからねえ。