アンスネスはやっぱりアンスネスなのか…の巻

期待のモーツァルト ピアノ協奏曲第20番(弾き振り)のCDが出たのですが、予想以上にテキパキさくさく弾いて下さって、トホホのホという感じです。ものすごくうまいのですが、どうしてそこまでスタイリッシュに、綺麗にまとめてしまうのかわかりません。数年前に出たDVDではもっとアグレッシブに攻めていて「おお、アンスネスもやるじゃないか。これはCDになったときに期待できるな。」と思っていたのですが、完成度が高まった分だけアグレッシブさも薄れてしまったようで、妙に足取りの軽い20番になってしまいました。
この曲のピアノパートはなかなか演奏が難しくて、テキパキ弾けること自体はすごいテクニックなのです。特に第二楽章の中間部で手が交差する箇所が危険で、正しく打鍵できた音が半分もなかったとか、そういう場面を何度か目撃しています。*1ちなみにこの曲の演奏は内田光子さんの弾き振りが最高だと思います。彼女は身体が柔らかいので、交差する部分も難なく弾けるようです。

*1:かのマウリツィオ・ポリーニもこの部分で盛大にミスタッチの嵐でした。彼はこの曲を正規録音していません。ひょっとして今後もやらないかも?