ショパン研究終了の巻

「音楽図鑑Classic」の方でショパン研究をやって、その後もいろいろ聴き比べをしてきたのですが、昨年あたりでショパンに関しては一通り区切りがついた感触を得ました。私のショパン学習の結論はショパンはものすごくわかりにくい作曲家ということがわかった」です(大汗)。ショパンと同世代のシューマンやリストの音楽は、特に深い知識がなくても楽譜を見るだけでインスピレーションが次々湧き上がってきて「ああいう風に弾きたい!」「こういう風に弾いたら絶対カッコいい!」という状態になるのですが、ショパンでその状態になることは、ついにありませんでした。完敗です。絶対音楽としての完成度の高さは否応なく分析理解できるのですが、ショパンが何を考えて曲を作っていたのか正直なところ全くわからないままです。世の中で確信をもってショパンを弾いているピアニストがどのくらいいるのか知りませんが、皆さん偉いなあと心底尊敬します。特にルイサダとかカツァリス、古くはフランソワ、コルトー。このあたりの人たちは何を考えてあんな主観的な演奏をしてるんでしょうか。ショパンの完璧な楽譜から、ああいう解釈を生み出せるセンスは天才としかいいようがありません。こういう人たちと比べると、ルービンシュタインの弾くショパンはいかに凡庸なことか。あの凡庸な弾き方でもサマになっているのは、ひとえにショパンの楽曲の完成度のおかげです。まあ、ルービンシュタインはそれがわかっていて、ああいう風に弾いているんですけどね。憎いですね。
ということで、ちょっと情けない結果になったものの、自分としてはそれなりに満足しているので、ショパン関係コンテンツはひとまず凍結しようと思います。お疲れ様でした。