ロルティすげえの巻

ラヴェルのピアノ音楽のCD聴き比べをやってるわけですが、ラヴェルの意図どおりに弾いてるのはおそらくルイ・ロルティだろう、という結論に到達してしまいました。おそろしいほど精緻にニュアンスを盛り込みつつインテンポってのが凄いです。楽譜とニラメッコしながら改めて2枚組みの全集を聴いたんですけど、「この人はどうしてこんなに弾けるんだろう」と頭を抱えてしまいました。う〜む。
フランソワの解釈も好きなんですけど、ラヴェル自身の言葉を総合すると、ああいう演奏は好みではなかった模様。あと装飾音の弾き方やリズミックな感覚ではラローチャも非常に良いのですが、イマイチ切れ味が足りません(打鍵・離鍵の速度が遅いためでしょう)。期待していたエル=バシャは全体にテンポの遅い安全運転だし、瑞々しさもないしダメ。ミケランジェリもかなりの精度ですが、あまりラヴェル弾いていないようで録音が少ない。ペルルミュテールはキズはあるものの、ほぼラヴェルの意図どおり…とまあ概ねこんなところです。