チェチーリア・バルトリさんは飛ばしまくりの巻

「禁断のオペラ」から企画物っぽく1枚ごとにテーマを変えて完全に独自路線を歩み始めたバルトリさんですが、今回はカストラートに焦点をあててます。ジャケット写真をはじめコスプレCG写真満載の上に、昔の去勢手術の様子のイラストまで載ってるありさまで、ものすごくキモイです(笑)。
演奏内容は圧倒的。伴奏は古楽器アンサンブル、イル・ジャルディーノ・アルモニコで攻める曲はバッキバキに攻めますし、ラメントな曲ではノンビブラート奏法を駆使して哀愁ある音を作ってます。肝心のバルトリさんですが、1曲目からツバキがビシバシと飛んでくるような攻撃性豊かな(笑)歌唱でして、私もう苦笑を通り越して爆笑してしまいました。そこまでやってくれるなら好きにしていいよもう、みたいな。数年前に一度だけリサイタルで生歌聴いてるんですけど、超一流というのはこういうものか、という格の違いでした。特に声が綺麗というわけではないのですが、演技力を含めた表現力がすごい人で、女王様オーラがビンビンに出ていました。