アルフレッド・パールのベートーヴェン:ピアノソナタ全集の巻

結局、全集を買ってしまいました(笑)。
結論としては、「若いのによくここまで確信を持って弾けるな」でございます。このピアニストは私より1歳年上なんですが、自分が同じ年代だったときに果たしてこれほどの精神力と確固たる裏づけを持っていたかというと、もう脱帽するしかないと思います。30代なので瑞々しさもあり(この人の音色は本当に瑞々しい)、ベートーヴェンを録音する時期って重要なのねん、としみじみ感じ入ってしまいました。
アンスネスと似たピアニズムだと思うのですが、アンスネスベートーヴェンで感じる「もうちょっと溜めがほしいな」とか「スルスルと弾きすぎで音楽が軽くなってしまう」ということがなく、いいバランスの表現だと思います。私自身の演奏は、けっこうコテコテに溜めるタイプです(指の動きが追いつかないところはどんどん積極的に溜めるw)。「・・・う〜ん」と唸ってから弾き始めるような、人によってはイヤ〜な感じだと思うのですが、今の先生(ウィーンへ留学経験アリ)に言わせると、「そのくらいやっていいし、私はやっちゃうよ?」みたいな感じなので、あまり悩まないことにしてます。パールさんも、溜めるところは結構しっかりやっちゃってますね。
それで、ベートーヴェンを聞きまくった影響でワルトシュタイン、テレーゼ、熱情あたりを勉強しないといけないな〜と思い始めたのですが、なにしろメカニックが中途半端でパッセージがヨレヨレなのが困りどころです。熱情はごまかせるんですが、ワルトシュタインは第一楽章からしてスケールの粒が揃わないと超みっともないし、終楽章のトリルが遅いとすごくダサイ!(汗)酔っ払いみたいなワルトシュタインはネタとしてはおもしろいのでそのうちうpするかも知れません(笑)。