手首クネクネの巻

ショパンの協奏曲などを弾いてる人を見ると、すごく弾きにくそうな人と、スムーズに流れていく人がいて、その差がすごいので考察してみるの巻

弾きにくそうな人

重力奏法で弾いてる人が陥りやすいのですが、手首や肘の位置の自由度が低い感じで、パッセージに追従させることができないので、フレージングがギクシャクしてしまいます。ブレンデルとか明らかにこっち。ロシアもこのタイプが多く、ラフマニノフの協奏曲は立派に弾いているのに、ショパンになるとあれれ?みたいなピアニストはけっこういます。ベレゾフスキーとか、弾かなきゃいいのに、ってくらい下手なのね(汗)。実はツィメルマンなんかも奏法的にこっちに属するんだけど、あの人たぶん手首がすごく柔らかくて、その辺をカンペキに吸収している感じ。あれは一般人には真似できないです。

弾きやすそうな人

そもそも「弾きやすくするための工夫」が半端ない。だらだらと続く難しいパッセージを適宜分割して、「ここの4つの音はこのフィギュレーション、次の3つは少し手首を上げ気味にして、・・・」みたいに自由自在に手首と肘を使って、でも指先は確実に打鍵、みたいな奏法を編み出してます。ペライアとか、海老彰子先生とか。指が短くて手のひらも小さい人はこの奏法を取らないとそもそも弾き切れないのですが、手首がクネクネ動いているように見えて音色はしっかりコントロールされるというのがポイントだと思います。タッチというか、打鍵速度がいいんだろうなあ、としか言えません。

ノクターン1番でクネクネ

ノクターン1番の細かなパッセージは音階や半音階で下がった後にモルデント的に装飾が入るのですが、これが意外とポイントで、一直線に動いてきたパッセージが突然クルっと回るので、ここに入る直前に手首を開放してあげないとミスります。手首を開放しつつ、ちょっとテンポルバートして「らり・ら・り〜♪」みたいに弾くとすごくいい感じです。この曲はどんどんルバートしちゃったほうがいい感じ。インテンポで弾いたり、22連符を均等割りするのはダサいです。