アバングランドN1感想の巻

バングランドN1は10月に銀座ヤマハで試弾してるのですが、そのときの感想を書いていませんでした。「アバングランド」で検索してこのブログにいらっしゃる方が多いので、N1〜N3の印象や、ヤマハの販売員から聞いたことをまとめます。

  • 鍵盤やペダルは3モデルすべて同じです。
  • 音源も3モデルすべて同じです。なのでヘッドフォンで聴いた場合は差がありません。この点、ヘッドフォンで練習する人が多い電子ピアノでは重要だと思います。
  • 筐体とアンプ、スピーカーはどのモデルも違います。これが出てくる音に激しく影響します。3モデルの違いはこの点と外観だけです。
  • 全体として、スピーカーの数がアホみたいに多いです。N1で6個、N2で9個、N3では12個もついてます。ホームシアターもまっさおな多チャンネルぶり(笑)。クラビノーバの最上位機種でも4個なので、音響のよさは完全に別次元です。
  • 音源は4ポイントでサンプリングしています。N3では4ポイントの音が完全に再現されますが、N1やN2では完全には再現されません(適当にまぜて擬似的に再現している)。これが音の聞こえ方に影響します。
  • N3はとにかくスピーカーの数が多く、反響音や残響音のためのスピーカーまでついている有様なので、椅子に座って弾くとホールで弾いているような錯覚に陥ります。フルコンの奥行き感もうまく再現されていますし、グランドピアノの上から出る音、下から出る音、奏者に向かってくる音もすべて再現されますので、ほんとうに生のピアノを弾いている感覚になります。弾いていてとても気持ちのいい音です。というか、C1クラスの生グランドよりはこちらの方が断然いいと感じました。この音響感ためにお金を払ってもいいと思う人もいるでしょう。
  • N2はフルコン風のピアノの奥行き感がなくなり、普通に部屋で弾いているグランドピアノの感じになります。
  • N1はさらに奥行き感はなく、アップライトピアノを弾いているような音響になります。主に筐体の上面から音が出るためです。
  • グランタッチで問題だったペダルの操作感は本物のグランドピアノと同等になりました。ハーフペダルも連続検出になっています(よくある3段階切り替えではない)。ただ、ほんのちょっとペダルを踏んだときの微妙な音色変化がイマイチ。そういう微妙な足技を絶対的に必要とする曲はほとんどないし、生のピアノでも調整不十分だと音域ごとにムラが出るので致命的な問題ではないと思います。
  • タッチは重めです。生のピアノのほうがかるいような気がします。わたしの打鍵力が弱まっていた時期なのでそう感じたかもしれませんが。
  • 設計&製造はクラビノーバ部隊とは別のところがやっていて、同じ社内ですがライバル意識丸出しです(笑)。まあでも、互いに切磋琢磨してよい製品を作ってくれればありがたいですよね。
  • バングランドは音源が非常にすぐれているので、音源モジュールとして単体発売しても売れるはずですが、いまのところそういう予定はないとのこと。

※12/11追記
やっぱり「アバングランドN1」という検索ワードでやってくる人が多いです。詳しい印象を書いておいてよかった。お役に立てば幸いです。