私が行ったものすごい演奏会の巻

連休なのでyoutubeを漁って、自分が行った演奏会の動画を探してみました。どれもNHKで放映されたものです。
伝説になったブロンフマン&ゲルギエフ&ウィーンフィルのラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番(全楽章)ニコニコ動画に上がってるやつは音質悪いですが、こちらはかなり高音質です。ゲルギーはつまようじで指揮していて、それがNHKで大々的に放映されたので当時かなり話題になりました。それとブロンフマンの体重でピアノが壊れそうwこの演奏を聴いて以降、どのCDを聴いても満足できない身体になってしまいました。ちなみにこの演奏のあと、ブロンフマンは2曲アンコールを弾いてます。スカルラッティソナタK11(ハ短調)とショパンの革命(こいつもハ短調)。アンコール1曲では許さない聴衆w楽団員退場後のざわめきがすごかったです。「もしかして俺たちとんでもないものを聴いちゃった!?」みたいな感じ。自分は1ヶ月前にブロンフマンが同じ布陣でこれをウィーンで弾いて現地民どもを完璧にノックアウトしたという情報を入手していたので、期待してサントリーホールに向かったのです。その結果がコレw第三楽章に突入したあたりで「ぎゃああああ速すぎるううう」と理性がぶっ飛んでしまいました。連れは休憩の間ずっと滂沱の涙。連れは同じくブロンフマンのプロコソナタ7番終楽章の爆演に遭遇して泣いたりするやつですw

お次はまさに魂の絶唱。イアン・ボストリッジ&内田光子の「美しい水車小屋の娘」。実は私にとってこれが内田光子の生演奏初体験でした。最初がコレですから、連れともどもノックアウトでございます。動画は1〜20に分かれてますが、全曲アップされてます。この第5曲からなにかが2人に憑依します。あっちの世界に行っちゃったボストリッジと、ガトンゴトン鳴る水車メカと流れる水の轟音の対比を際立たせる伴奏がすごいですね。このコンビの演奏はCDになってます。みっちゃんもそうですが、ボストリッジも生演奏のほうがずっと素晴らしいです。あとみっちゃんの伴奏が完璧に歌とシンクロするのに驚いたのですが、この動画を見ればわかるように、ボストリッジといっしょに歌ってます。やっぱり歌わないと呼吸が合わないのよねえ。日本で流布してる水車小屋の和訳はどれも絶望的に悲惨ですが、NHKが誰かに発注したらしいこの和訳はまことに素晴らしいです。惜しいことに、本当に惜しいことに最終曲(20曲目)でフライング拍手したバカがいます。あれさえなければ完璧だったのに、本当に残念でなりません。この演奏を聴いて以降、どのCDを聴いても(以下略)。どうしても弾き語りしたくて楽譜まで買ったけど(ボストリッジよりかなり低く移調したやつw)、あまりにも伴奏が難しくて悶絶。楽譜の見た目はエチュードみたいです。

これが延々続きます(汗)。この曲集は川と水車も主人公あつかいなので、こんな伴奏ばっかりです。でもシューベルトの伴奏ってなんにも指示がないのです。みっちゃんはこういうときに真価を発揮する人で、上記の部分なら左手を鋭いスタカートで、しかも親指で弾く2発目を少しだけ遅らせてガッタンゴットン感を出し、右手はうねるようなアルペジョで弾きます。楽譜に書いてないけれど、アクセントや<>こういう強弱を付けて、歌に合わせて伴奏でも大きな起伏を作っていきます。だからとても雄弁です。内田光子すごいなあ、としかいいようがありません。

次はアーノンクールモツレクです。私はいずみホールで聴きましたがこれはNHkホールでの収録。残念ながらラクリモサしかうpされておりません。いずみホールは800席くらいの中規模ホールで、この規模のオケを聴くのに最適なサイズで音響的にもよさそうだったので、わざわざ遠征しました。アーノンクールとCMWの生演奏を聴けるのはこれで最初で最後だと思っていたので、それだけの価値があるのです。実は東京ではNHKホールしか公演がなかったのです。NHKホールの音響では絶対に無理だと確信してました。実際、NHKホールで聴いた人は音響の悪さを嘆いておりました。というわけで、この演奏を聴いて以降(ry。ちなみに来日前にリリースされたCD(なんと補作部分の区別つき自筆譜を収録)は全部うpされています
モツレクは本人はラクリモサの途中までしか書いてないといわれていますが、その後のオッフェルトリウムの「ドミネ・イエス」の合唱と主要な器楽もモーツァルト自身が書いていて、対位法を駆使した素晴らしいアンサンブルが聴けます。私はこの部分こそがモツレクのハイライトだと思っています。

モツレクが最初で最後だと思ってたアーノンクールとCMWはその後サントリーホールでバッハのロ短調ミサを聴くことができました。これは来日前のインタビュー。NHKでも放映されましたが、やはり全曲映像はうpされていない模様。一部だけうpされた動画がこれです。これしかご紹介できず残念です。