ルイ・ロルティ:プレイズ・ショパン vol.2の巻

このブログをご覧になっている方は当然入手なさるという前提で大雑把に書きます。

  1. ト短調ト短調
  2. ヘ長調ヘ長調イ短調
  3. 変ホ長調ハ短調−変イ長調
  4. ヘ短調ヘ短調
  5. 変ニ長調嬰ヘ長調嬰ヘ長調

http://chopin-etude.doorblog.jp/archives/cat_158569.html
こちらを参照ください。ものの見事に、同じことをやっておられます。こういうのを「粋」とか「わびさび」とか「エスプリ」というのございます。
特に素晴らしいのが、バラード2番の調性表記です。この曲は通常、開始部分の調性をもとに「ヘ長調」と表記されます。いや、それは違う、と異を唱えたのはマレイ・ペライアです。彼は、原則通りに終結部の調性を優先して「イ短調」と演奏会のプログラムに記しました。
そして、ルイ・ロルティ。彼はヘ長調イ短調と記しています。ここに彼のこだわりを見出さない人は、彼のファンとはいえないと思うのです。

というわけで、ロベルト・シューマンではありませんが、「諸君、脱帽したまえ!」なCDでございます、ここまでは。この先が問題。

ピアノはスタインウエイ、調律はリヒテルの調律師だった大里和人さんです。なので、ピアノの音色はリヒテルそのもの。よくいえば霧のむこうから聞こえる、幻想的な音。しかし実際には非常に抜けのわるい、花粉症で鼻がつまって、口呼吸状態の音色。ようするに、わたしは大嫌いです!ものすごいフォルテで弾いていると思われる箇所も、ウナコルダを踏んだような音色です。ほんとうに勘弁してほしいです。
リヒテルが好きな人は気に入ると思いますが、私とは友達になれないと思います。(このいいよう)

かように音色は最悪ですが、整調はとてもいい感じです。雑音が非常に少ない。さらに、つよく叩いても音色が割れないので、ピアニスト的には弾きやすいと思います。でも、スタインウエイのよさが相当スポイルされていると思います。こういう音を作りたいなら、ベーゼンや第一次大戦前のスタインウエイを選択すべきだと思います。とにかく、私には理解不能です。

vol.3は例のショパンエチュードです。ピアノはファツィオリで、音色もバッチリですから念のため。