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- エヴァのBGMは、以前からピアノ曲が印象的でした。旧劇場版まではわかりやすい旋律+伴奏という曲が多く、キャッチーではあったものの、繊細な心情表現などには今一つ、という感がなきにしもあらずでした。
- しかし新劇場版では、積極的にピアノ曲でキャラクターの心情を描くようになってきています。
- 序ではTV版でおなじみの「ヤマアラシのジレンマ」という曲を徹底的に使いまわすことで、シンジや綾波の、誰かと一緒にいたい(つながっていたい)けれど、うまく関係を築けないもどかしさや孤独感を、とてもうまく表現していたと思います。
- 破では、新たに登場したアスカのために大々的にカレカノの曲をリバイバルして、彼女の二面性をくっきりと浮き立たせていました。
- Qに至って、ついにピアノ曲はすべて新曲になりました。改めて説明する必要がないほど、カヲルとシンジの関係の描写にピアノが使われています。
- 新劇場版と旧作の演出上の大きな違いは、モノローグが減ってダイアローグが増えたことで、それはQで顕著になったと思います。これを反映して、ピアノもソロではなく連弾や2台ピアノ曲が用いられました。音による対話や、心が通い合う様子の描写は、アニメーションでは珍しいと思います。演奏内容と映像(ピアノを演奏する指や身体の動き)が完全にシンクロしていたこともあって、音と絵からさまざまな関係性を想起させられる、よい演出だと感じました。
- 自分はQをカヲル君とシンジ君の悲劇を描いた映画だと思っていますが、今回のサントラはそれを裏付けるように、「Kindred Spirits (Theme Q)」(呼び合う魂、またはQのテーマ)という曲で終わります。
著作権的に問題あるので引用程度で。
ナディアの曲で騒いでましたが、自分的に最も好きな曲はこれ(笑)。