ヤマト2199第七章の舞台挨拶を見てきたの巻@新宿ピカデリー

※長文注意
第三章の舞台挨拶は、余裕でチケットゲットできたんですが、今回はサイトにつながらなくて大変でした。
登場したのが出渕さんと、古代役の小野大輔さん、島役の鈴村健一さんということで、通常の上映とは異なり(?)比較的若い女性*1が多かったです。自分は、周囲の空気を一切読まずに、濃いヲタ話を繰り広げる鈴村さんが大好きですw
話の内容は、いままでオーディオコメンタリや、第七章のパンフレットに載ってるインタビューと大差なく、自分的にはほとんど既出だったのですが、復習のために列挙しておきます。なお、小野Dが最後に喋った内容が、第七章およびヤマト2199の総括になっていて、すごく感動的でした。

    • ヤマト側の声優はオーディションで決めたけれど、波動砲発射シーケンスをイントネーションまで含めて完璧にやりこなしたのは鈴村だけ(出渕)
      • 専門用語が多すぎて困った(小野D
      • 鈴村さんは筋金入りのヤマトファンなので、できて当然ですね。
        声優ではほかに新見役の久川綾さんが熱烈なヤマトファンで、彼女はヤマトに感動して声優をめざし、いつかヤマトに出演したいと願い、その夢が叶った形です。彼女の本来の野望は波動砲を撃つ」だったようですが、女性なので諦めたんですって。
    • ガミラス側の声優や、年配キャラの声優は出渕さんの好みで指名した(出渕)
      • ベテランぞろいでギャラがすごいことになるんじゃないかとgkbr(出渕)
      • ヤマトが勝てる気がしない!(小野D,鈴村)
    • ヤマト出演が最初はとても不安だったけれど、いまとなっては家族のような気持ち(小野D
    • 周囲にどんどんカップルができていくのに島はぼっちなので、続編でよろしくお願いします(鈴村)
    • 第七章のためだけに7〜8曲?新録した(出渕)
      • 最初は1曲という話だったけれども、今回のBGMはすべてCD化することになっていて、ランティス*2の人から「全部で10曲くらいにしてくれると、もう1枚サントラ盤が出せるんですけど」という提案があり、こんなことになりました。新録曲は3枚目のサントラに収録されるはずです。(司会の人*3
      • 新録曲はほんとうに素晴らしいです。最後に流れる曲は自分が好きな曲(出渕)。
    • ヤマトという作品は、8割くらい音でできている(出渕)
      • 声優さんの演技、効果音、音楽、そのどれもが重要(出渕)
      • 効果音はオリジナルの柏原さんのものと、新しく作ったものを組み合わせている(出渕)
      • 波動砲の音がいいんですよ。あの発射するときにピシャアッ!ってやつピシャアッ!ピシャアッ!ピシャアッ!(鈴村による効果音実演)
      • 君、すごい顔になってるよ(小野D
        • 観客一同大爆笑
      • 音に関しては庵野さんとか、多くの人が同じことを語っていますが、ヤマトの場合は音楽と効果音は特に重要です。誤解を恐れずに言い切りますが、キャラデザインや声優が変わっても許容できるけれど、音楽と効果音が変わるのは許容できない、ということ。
    • ヤマト2199のストーリーは、基本的には旧作と変えていません。第七章もそうです。展開や演出上の変化はあるけれども、魂ともいえる部分を変えるつもりはなかった。(出渕)
    • ヤマトの物語は、魂のひきつぎの物語だと思います。そしてヤマト2199という作品自体が、オリジナルの魂をひきついで作られています。今度は、この作品を観た人たちが、何十年後かにまた魂をひきついだモノを作ってくれたら嬉しい(小野Dによる総括)

舞台挨拶は以上で、そこから本編の上映となりました。
第七章を見るのは2回目なんですが、めちゃくちゃ感動しました!初見時はいろいろ余裕がない上に、どうしても粗ばかり見てしまうという自分の悪いクセがあって、素直に見れていなかったんだなあと反省です。

※以下、第七章の感想ですが、壮大にネタバレが続くので要注意。

第七章の初見時は、最終回の森雪死亡→古代激白→沖田死亡→森雪復活、という旧作を踏んだ流れに軽い違和感を覚えたました。その後、2199は旧作の流れをトレースすべき作品だと考え直して、この違和感が消え去りました。
また、2199オリジナルの展開がよかったと思います。
まず、地球を前にした沖田艦長と徳川さんの会話シーン。これは、ありそうでなかったシーンです。太陽系赤道祭のときと対になっていて、すごくいい場面だと思いました。ちなみにこのシーンの会話が、最後のコスモリバース再起動の伏線になります。
また、古代と雪のツーショット写真が何度も出ますが(旧作のヤツもあったw)、ほとんどイスカンダルからの帰路で撮ってると思うんで、仲良くなったんだなあってことがわかって、微笑ましいです。
結婚パーティでバカ騒ぎしているクルー→古代くんドンゾコ→雪のところへという展開がオリジナルを彷彿させますね。あと、なんといっても死んだ雪の衣装が、旧作と同じなんですよ。さらにそれに続く古代の激白における、入魂の作画と小野Dの熱演。もうこの時点で泣けます。
そこに続けて、2199オリジナル展開。つまり、古代守の残留思念が勝手に突っ走って、森雪を復活させてしまうという、弟のことになると一切の見境がなくなる溺愛っぷりが泣かせるよなあ、と感動しました。この作画もいいですよね。優しい守兄の表情がすごくいい。
守兄はこのとき、沖田艦長にヤマト=コスモリバースシステムを託しています。つまり、余命のない沖田さんが、自分が消滅したあとを継いでくれることがわかっている。この信頼。ここにも感動です。
沖田艦長は旧作どおりに亡くなって*4、コスモリバースシステムは再起動します。最後、ヤマトは地球に帰還しますが、ここでヤマトと一体となった沖田艦長も地球に帰還したことになり、「必ず帰ってくる」という土方さんとの約束も果たされたのでした。
ヤマトと一緒に沖田さんも帰って、彼がコスモリバースの中核となって地球を救う、ということを知っているのは、古代守(と観客)だけです。守兄って本当に最強ですね。誰もかなわない。

以下、第七章の各話の感想を書きます。
いちおう音楽ブログなので、音楽の話もしますよw

  • 23話:ヤマト2199オリジナル曲の「大志」が「大いなる愛」だった件

23話は、樋口さん(コンテ担当)らしい熱血回です。スペクタクル満載の演出・画面・音楽が、大詰め感を煽っていいですよね。CMと冒頭10分が話題になっていましたが、そこに新録曲を3つも入れてきました。メロドラマ曲、ブンチャカヤマトのガミラス突入記念スペシャルバージョン、そしてハネケン(違)。このメロドラマ曲は、デスラーとスターシャの関係を描いた第七章の裏テーマ曲ともいえます。25話までたびたび流れるとても重要な曲です。なお、古代と雪の関係で新録曲があり、これが第七章の表テーマ曲と言えます。彬良先生のクラシック系の能力が最大限に発揮されています。
  
公開された10分間以降がBパートになります。古代進が熱い。森雪を救出しに行く、と宣言した時のあの表情。朴念仁がいきなり漢になった!そして、救出を命じる沖田の表情の素晴らしいこと。「ゼロで救出に行く」ってのがいいですよね。ゼロですよ。「風たちぬ」リスペクトですよねわかります。さらに、ここでたった一人で救出に向かうから「たった一人の戦争」なんですね!とか思っていたら、ユリーシャ随伴。そしてメルダのデパッケ加勢に加え、Aパートで華麗においてきぼりを喰らった艦載機部隊が到着して、空中戦です*5。ユリーシャがイケイケゴーゴーしている間に、今度は森雪はひとりで戦争している気になってますけど、しっかりノランが協力してるじゃんかよ!一人じゃないじゃん!ということで、「たったひとりの戦争」とは、まさしくデスラーのことでした。このあと25話でも、相変わらず一人で戦争して、巻き込まれた周囲(というか主に兄タラン)が大迷惑。
ヒス副総統は偉かったなあ。23話って、登場人物がみんな「自分はいま何をすべきか」を考えて行動していて、とても気持ちいいですよね。たとえば自分がデスラーだったら、あの場面はデスラー砲でヤマトを撃つと思いました後顧の憂いを断つには、そうするしかないんだもの。そのくらいの脅威なんですよね、波動エネルギーは。
ということで、自分は古代の朴念仁→漢の変化以降ほとんど泣いていたのですが、最後の救出場面でダメ押しの音楽が流れました。ヤマト2199新曲の「大志」です。この場面のアレンジで、この曲が「大いなる愛」の派生だったことがわかりました。気付くのが遅すぎでした。まさか大志がヤマト2199の「大いなる愛」だったとは。たまげたなあ。
  
比較しやすいように、「大志」はト長調に移調してあります。「大志」のオリジナルバージョン(サントラvol.1の23曲目)は、冒頭のアウフタクトがないので、大いなる愛の派生だと気付きませんでした。サントラvol.2のバージョン(やはり23曲目。もう狙っているとしか思えない)だと、冒頭のアウフタクトが強調されるので大いなる愛との類似性がはっきりとします。さらにBメロへの推移で、対旋律としてトランペットでヤマト主題歌が高らかに演奏され*6、終結部はヤマト2199第一話の冒頭で流れた「ヤマト前進」と同じです。何が言いたいのかというと、つまり「大志」こそがヤマト2199のテーマ曲だったんですよ!!*7だから私が23話の終盤で大泣きしてもいいんです。以上。
   トランペットの対旋律

イスカンダルに降りるシークエンスが、オリジナルと全く同じです。だから沖田艦長の「ありがとう」で、泣いてしまう人が多いのではないでしょうか。オリジナルではターシャ気象予報士になっていましたが、今回は森雪がやっています。
しかしせっかくイスカンダルくんだりまで来たというのに、波動エネルギーを武器に転用してことでスターシャさん(永遠の17歳様)は終始おかんむりで、ヤマトに対して非常に冷たいです。さらに古代の名前を聞いて反応したり、宮殿の頂上部で怪しげな行動をするなど、イスカンダルには古代守がいて、かつ、デキていたらしいことがプンプンと漂ってくる演出が続きますが、全体としては苦悩する17歳様を描写することに注力しています。コスモリバースを渡したら、守兄の残留思念もイスカンダルを去って、いずれ地球の命と引き換えに消えてしまうのです。
あとこの回は、男女問わず水着クルー登場でファンサービスを繰り広げますが、ヲタ的にはやはり旧作24話のガミラス星の海(※注:硫酸)で古代が言った「やっぱり船は海の上だなあ」というセリフを島が言うところがポイントですね。
この回の音楽的なポイントはイスカンダルこと「美しい大海を渡る」です。サントラvol.2に「美しい大海を渡る」のバリエーションが3つも入ってるじゃないですか。あれはいったいなんなんだと思ったら、この回のためのBGMでした。彬良さん、作りすぎです。それと、例のメロドラマ曲。スターシャデスラーもとんでもねえヤツ、というかんじ。あと失念してしまったのですが、ターシャといたした後で賢者モードっぽい古代守の遺言ビデオの曲も良かったです(旧作の曲でしたよね)。ええもう私を含めみなさん泣いてましたよ。
なおロケットアンカーおよび後部カタパルトは、このエピソードでも大活躍でした。アンカーは本来の用途で、カタパルトは旋回機能を生かして飛び込み台として活用。この2つは、2199で優遇されたヤマトの装備ですよね。24話は以上。

  • 25話で崩壊したのは作画ではなく演出の件

この回を蛇足という人がいますが、それをいうならオリジナルにいうべき。死んだと思ったデスラーが出てくるのは、大切なお約束です。
どういう場面がカットされたのかわかりませんが、シーンのつながりが唐突な場面があって、演出的に崩壊しています。パンフレットによると、ここでフラーケンが出てくると思います。それから、やはりウイルスを仕込む場面では「こんなこともあろうかと」を言っていただきたい。セレステラはああするしかなかったと思いますし、デスラーデスラーイスカンダル主義を歪めて解釈したのが哀れでした。完全版を見ればまた感想が変わるかもしれません。
とりあえず、ガミラス艦によるヤシマ作戦というか、電線数珠つなぎは、盛大に笑わせていただきました。ここにきてギャグですかw

  • 26話:ヤマトが描いたのは生命と魂のひきつぎの物語だった件

この件に関しては、上に書いたことと重複しますので、省略です。
最終回の音楽は、本当に最高でした。この回にしか出てこない曲が多すぎますよ(笑)。古代が結婚パーティから抜け出して以降は神がかっていると思います。地球へ帰還するヤマト〜「明日への希望」〜青い地球、で涙した人も多いと思います。日本列島が大写しになるところで笑いました。できれば最後に「完」という文字を入れてほしかったと思います。続編いらないでしょう。あと、古代と雪の愛のテーマは、サントラが出たら採譜して弾くつもりです。あれは本当に名曲です。2199では「時計仕掛けの虜囚」*8が最高だと思っていましたが、あっさりとそれを超えてしまった。ヤマトは名曲が多くて困ります。

*1:すごく若いわけではないw

*2:音楽制作会社

*3:小林さん?失念

*4:この場面は間違いなくヤマトの最重要シーンですが、音楽も絵も声優さんの演技もすべて完璧で、文句のつけようがないです。

*5:これがヤマト2199で最後の艦載機戦闘となりました。

*6:ここで涙腺が刺激される

*7:な、なんだってーー!!

*8:25話で流れましたね