Prophet-12を試してきたの巻

ついでに発売終了したKORG KRONOSも試してきました。

  • Prophet-12
    • 安定性の上がったProphet-5です。同じような音色を作ったら、まず区別がつかないレベルです。フィルタがそっくり。こわい。
    • フィルタは4 poleモードと、そうでないモード(2 pole ?)があり、4 poleがオリジナルのProphetと同じ、-24dBのローパスフィルターっぽい挙動です。INTEGRA-7のフィルタより本物っぽいですね。いや本物なんですけどw
    • フィルタのキーフォローは、さすがに連続可変。このパラメタの精度が高いのが高評価ポイントです。Prophet-5はOFF/HALF/FULLの3段階しかなく、しかも精度が悪かった。それが味だったんだけど、使いにくかったです。
    • Prophet-5で使っていた音を作ろうとすると、1分間以内でできてしまう。非常に操作性がよろしいです。どういうことかというと、つまみを回した時の音色変化が、人間の体感とよく一致しているということ。たとえば、ADSRのアタックをこのくらい回すとこの程度の変化をする、という感覚などが、初めて使うにもかかわらず、すぐにつかめるのです。この点はオリジナルのProphet-5よりも良くなったと思います。ただ逆に、想定外の挙動がないので、予想外の音色ができてそこから発想が広がる、みたいなことがあまりなさそう。
    • モジュレーションのパラメータがオリジナルより増えていて、クロスフェード機能などもあり、Prophet-VSの設計思想を引きずっている模様。
    • オシレータはProphet-5の後期バージョンに近く、初期〜中期モデルと比べてやや線が細い音色なので、YMOや教授が使ってたような、ブリッとしたシンベはちょっと弱いかもしれない。それを補完するためにサブオシレータがあるかんじ。
    • 「初めて触るんですぅ」とか言いつつ、なんの迷いもなくつまみを回してどんどん音色を変更するし、ノイズを使ったポリモジュレーションとかマニアックな技を駆使するので、店員さんが驚いてましたw
    • 鍵盤の出来がよいです(これが確認したかった)。
    • 欠点は、つまみの質感が安っぽいこと。
    • 総評:デジタルアウトが付いてたら、即金で買ってたです。あぶないあぶないw(30万円を思い切り切った値段でした)
  • KORG KRONOS
    • 絶賛処分価格。
    • German Steinwayは最高。ほんとこれだけ。
    • シンセ機能のポテンシャルはすごいんですが、Prophet-12なら1〜2分でできる音色が、10分とか、それ以上かけて作るハメになるんですよねー。
    • 総評:バブル時代の面影が濃すぎ!なんでM1が爆発的に売れたのか、もう一度考えれ。

Prophet-12に関しては、やっぱりProphet-5と同じ質感を求めてる人が多いようですけど、そういうは無意味だと思っております。Prophet-5がいいならProphet-5を使えという話。Prophet-12は、精度が高くなったフィルタのスケーリングによって、1つの音色で広い音域で演奏できる、というのが最大の特徴だと思っています。しかも12音ポリなので、両手で弾けるのです。サスティンペダルが実用的に使えるのです(笑)。Prophet-5で広い音域にわたって「使える」音色を作るのはかなり難しくて、結果として密集コードばかり弾くことになっちゃうんですよね。