映画 聲の形 を見てきてサントラの「lit」を演奏してUPしましたの巻

めんどくさい性格で三白眼のデコスケ男子キャラが好きなわたしにクリティカルヒットしましたw
ネタバレしますのでご注意を。個人的には、シン・ゴジラとともに今年のベスト映画にしたいです。アニメでは文句なくこれが1番です。

1.映画の感想

  • 逃げちゃダメだ!→逃げないよ!
    • いじめや女子同士の醜い言いあらそいなど、厳しい場面をものともせずに見せてくる肝の座った演出力。拍手です拍手。大拍手!
    • 案の定、ネットでは賛否両論だけど、クリエイター志望でこういうつらい描写が見たくないっていう繊細メンタルなやつは、失格だと思う。失格と言うか、そういうのを見ても脳で適切に処理できる人間(つまり大人)になるべきですね。誰とは言わないけど、若手アニメーター君、逃げちゃダメですよ。(見てないって)
    • 直花が、硝子に対して一貫してアンタの性格が嫌いって言い続けてるのがすごくいい。直花がいちばん、硝子を障害者扱いしないのです。彼女は不器用で本当にかわいいですね。最後まで、硝子に対してバーカって言ってたのがよかった!デコスケは硝子とデキちゃうから、また一悶着ありそうな感じがするのもいい。
  • 2時間しかない!→2時間もあるじゃねえか!
    • 食事シーンだけで何度あった?数えてみよう。
      • お約束の目玉焼き+ベーコン
      • お好み焼き
      • おばあちゃんのお手製ジュース
      • ゼリー
      • 誕生日ケーキは作るシーンから
      • パン
      • たこやき
    • 冗長な場面が一切ない。そんなヒマはないのです。しかし、畳み掛けずにゆっくり時間が流れているような空気感はお見事です。「君の名は。」の監督や、もうやめちゃったけど宮崎駿はこのバランス感覚を見習うべきですよ。
  • 主要キャラと脇役の芝居のバランスがいい
    • 主要キャラは行動動機まで示される。
    • 主人公とヒロインは家族のことまでガッツリと描写される。2時間しかないのに。
    • そのかわり脇キャラの行動動機はサクっとオミットされる。たとえば、真柴くんがいきなり友達になりたいと言ってきたりするけど、俺と同じでデコスケが好きな変態なんだろうなって理解しておけばいい。
  • 起承転結が完璧
    • さらに転の部分が二転になっているのがすごい。繰り返しになるけど、これ2時間の映画なんです。
  • 演出が秀逸
    • 顔にバッテン。
    • 舞台は春夏秋。同じ場所を定点観測するがごとく描くことで、季節の移り変わりを表現します。なので、その先の冬まで想像させてくれる。

2.劇伴
agraph牛尾憲輔さんですけど、アニヲタなので絵コンテ見ながらバリバリ曲を作っちゃったそうです( ゚д゚)ポカーン
劇中のシューティングゲームの曲まで作ってて、ラスボスが出てくるのでその前後で曲が変わるようにしたとか、オタクっぷりを遺憾なく発揮。ちなみに3秒くらいですね(笑)。
agraphで聞かせるスタイリッシュなアンビエント/エレクトロニカとはかなり違っていて、楽器はノイズ感を強調しまくった生ピアノ(アップライト)だし、弦も生だし、感情に訴えるような主観的な曲もあるという具合です。しかし主な曲はバッハのインヴェンション1番を解体したフレーズを利用しているという、ある種の衒学的要素も含んでいます。agraphは終止感が不明な音楽で、そこが良かったんですけど、今回はメインの2曲はラストでしっかりメジャー終止します。クライマックスで流れるlitのバリエーションなんか、全力で泣かせにきますからね。事前にサントラを聴いていたのに、想定外に素晴らしくてマジ感動ですよ(志村感)。

3.まとめ
障害者とかいじめがテーマではなくて、他者と分かり合えるか、赦しを与えられるかという、とても普遍的な問題が描かれていると思いました。周囲の大人も、きちんとコミットしてる人(家族)もいれば、適当な人(担任だよあのクソ野郎)いるのはリアルですけど、最後に両方の保護者が分かり合えていたのがすごくよかったです。

さっそく劇伴を演奏してみました。
 
https://www.youtube.com/watch?v=qoHK9Rl3rJM       http://www.nicovideo.jp/watch/sm29697153

クライマックスで流れたバリエーションも弾きたいと思ってますが、シン・ゴジラの曲もまだ弾きたいし時間が(;´Д`)