情に流された 亜人−衝戟− は別種の亜人。の巻

亜人」劇場版第三部−衝戟−を見てきました。以下ネタバレなので要注意。
アニメオリジナル展開で完結します。オリジナル作品としてみるとよくまとまっていたとは思いますが、こんな終わり方でいいのか?と感じた部分がいくつかありました。

1.無能な働き者
全体的に中盤まではいい感じだったのですが、情に流された泉が囚われた戸崎を救出しようとして無茶をします。いわゆる無能な働き者。この一件をきっかけに、泉の視点で戸崎との関係性をセンチメンタルに描くシーンが入ったり、泉・戸崎ペアと対になるアメリカの対亜人部隊(向こうにも女性亜人+男性エージェントペアがいる)のやりとりが入ったりしますが、ぜんぶ要らないと思いました。

2.主人公の変節
徹底したリアリストだった圭が情で動くようになってしまうさまを描写したのがこの第三部といってよく、その観点ではしっかりまとまっています。でも圭が情で動くようになっちゃダメです。この件に関しては以上です。

3.米軍の介入
シン・ゴジラと同じ展開ですが、描写の浅さは比べるまでもありません。亜人核兵器でも死なないので、神経性のガスを使うというアイディアはいいと思いました。それと佐藤はもともと米軍の人間なので、てめえのケツはてめえで拭くという心づもりは見れました。でも最後がダサすぎた。常識で考えたら、半永久的に鎮静剤漬けになってるはず。

4.脇役がいい
一瞬しか登場シーンがない海斗ですが、救出シーンは王子様の登場そのものだし(笑)、エンディングのキャスト一覧でも圭に続いて2番めと本妻ポジションを守ってました。第三部ではひたすらオバカな役回りになってしまった攻とのいい対比になった(;´Д`)
佐藤側の亜人では、田中、奥山の描写が的確で良かったです。奥山の活躍ぶりは驚きました。

5.その他
映像のカラーバランスが独特。都会と田舎で明確に色合いを変えてくるのが特徴だと思います。
プレスコなので口の動きと声優のセリフがよく一致していますが、不気味の谷に突き落とされるかどうかギリギリと言う感じでした。
あと劇伴が主人公の変節に合わせて主観的なものに変化したのはお見事です。センチメンタルになりすぎない節度がありました。