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音楽図鑑 - 近況報告

はてなダイアリーから移行しました。

たっぷり7週ヤマトーク2199 〜road to 2202〜 第一週@新宿ピカデリーの巻

※この文章すごく長いです。最長記録かも。

司会:小林さん(いつもの)
出演:宮川彬良さん、吉江輝成さん(ランティス

吉江さんはヤマト2199サントラ第三弾から入ったそうですが、ここでCDの音が良くなったのは皆さん御存知の通りで、彬良さんも「吉井さんが来てから音が良くなった!」と言ってました。

※内容
宇宙戦艦ヤマト2199の音楽について
・星巡る方舟の音楽について
・音楽イベントについて
・2202劇伴の進捗状況報告

road to 2202 ということで、2199の総括がメインになるのですが、最初に小林さんがひとこと。「ヤマト2202」の読み方はニーニーゼロニーとのこと。マルニーではないそうです。

宇宙戦艦ヤマト2199の音楽を振り返り>
耳コピからスタート
・トータル160曲(全七章+星巡る方舟)
ガミラス専用曲が初登場(国歌)
・コンサートを2回やった

ということで、既出の話題も多かったので、その件は適当に省略します。(省略してもこの長さ)
なお、過去のヤマトーク関連記事も合わせてご参照ください。
harnoncourt.hatenablog.com
harnoncourt.hatenablog.com
harnoncourt.hatenablog.com

まず楽譜の件ですが、彬良さんは自筆譜を大事に取っているけれども、昔は楽譜という情報があまりにも無防備に扱われていたため、オリジナルのものは散逸してしまった、という話です。彬良さんによると、無防備に扱われた理由は、泰先生の仕事が立て込んでいた*1ことと、誰もあんなにヒットするなんて思ってなかったから、だそうです。

ですが、自分はそれだけが原因とは思いません。
原因は、プロデューサーの見識の甘さと、当時の業界の慣習にあると思います。西崎義展氏はもともと音楽プロデューサーでしたが、実質は興行屋ですし、制作過程のコンテンツを維持する、残すという意識が低かったと思います*2。そりゃそうですよ。原画・セル画を産廃として廃棄していた時代ですからね。
西崎氏は、ヤマト関係の楽譜が売れているのを目にして本家がこれをやらないのはまずいということを認識したようで、完結編の制作終了後に完結編の豪華本とあわせて公式楽譜集を出版しています。この楽譜集はオークション等でものすごい価格になっていますが、内容は大したことはなくて、当時ひどくガッカリしたものです。

話が脱線したので、ヤマトークに戻ります。特に但し書きがない限りは、すべて彬良さんの発言です。

  • 耳コピの件
    • ヤマト第一作には愛着があって、劇伴もほとんど覚えていたのだけど、いざ楽譜を起こし始めたら新しい発見があった。
    • 大部分はすぐ聞き取れるし、オーケストレーションも想像がつくけれど、よくわからなくて100回くらい聞き返す部分もあった。
      • な~んだ、僕と同じじゃないですか(笑)
    • 耳コピをしているうちに、楽曲の分析もできた。
      • この言い方はちょっとおかしくて、覚えるほど聴き込んだ曲って、その時点で分析できているはずなんです。なので、楽曲構成などの音楽的な要素の再確認をしつつ、新たな発見もあった、という意味に捉えたほうがいいと思います。なんでそんなことが想像できるかというと、僕がそうだからです!(今回は徹底して自分上げ)
  • 分析結果のまとめ
    • 同じメロディを転調して繰り返すだけで尺が2倍。
    • このとき、例として演奏した曲はあまり適切でなく、やはり「無限に広がる大宇宙」を例にすべきだと思います。あれは同じメロディを長一度上下するだけで無限に続けることができる、まさにタイトル通りの曲です。この件は「ヤマハでヤマトーク」でも話していました。
    • こういう技は作曲的には手抜きに見えるけれど、8小節のメロディからすぐ新しい展開に移ると劇伴として使いにくくなるため、音効さんは助かる。
    • 繰り返しが多いので、泰先生は二週間(実質10日間程度らしい)で第一作の劇伴を書き上げることができた。
  • そうはいっても作曲作業そのものが早い件
    • 泰先生と羽田さんは、とにかく書くのが早い。ハネケンの名前が出たところで拍手(笑)
    • 泰先生は飲み会でもタクシーの中でも書くのはもちろん、写譜屋同行で新幹線に乗って、車中で作曲して、名古屋までに完成させて写譜屋だけ名古屋から東京に戻らせたこともある。
  • 2199劇伴では第一作の耳コピ曲、アレンジ曲、新曲の3種類がある件
    • ブンチャカヤマトって彬良さんの作曲なのか?編曲なのか?という話。曲とはいえないけれど、アレンジ作品と言いたい。
      • そうなんです、作品なんですよね。
  • 編成や録音方法に関して
    • いまどき大編成の生オケが勢揃いして、せえので録音しているのは、おそらくヤマトだけ。
    • ここでパートごとに録るメリット・デメリットの話などが出ますが、自分的には既出ですし専門的なので省略w
    • 要は、パートごとに録ると演奏者のスケジューリングがラクということと、あとで編集(特にパートの差し替え)がしやすくてWin-Winなのです。ですが、彬良さんはそれで失われるもののほうが大きいという考え。
    • 何が失われるか?ということになって、彬良さん「愛・冒険・ロマンがないといけない!」と名言を言い放ち、一同大拍手!!
  • スコアリング(記譜)に関して
    • 彬良さんは手書きにこだわる。
    • いまはみんなコンピュータで書いてる ← すみませんすみません(;´Д`)
    • いろいろな資料で彬良さんの手書き譜が見れますが、とても綺麗なので写譜屋さんも助かっていると思います。

<星巡る方舟振り返り>
・フィルムスコアリング
・3つのテーマが1曲に。ヤマト・ガミラス・ガトランティス
・新作ボーカル曲 "Great Harmony" これも劇伴の一部。しかも最後を飾る曲。

  • フィルムスコアリングの件
    • 第七章までの劇伴も新たに録り直すことで、その時点の空気感が入った。
      • 録り直しだけでなく、アレンジも微妙に変わっています。ブンチャカヤマトが筆頭で、よりダイナミックなアレンジになっているし、彬良さんの楽曲解釈も進化しています。
  • Great Harmonyの件
    • 例によって、大和、大いなる調和、Great harmonyという言葉の素晴らしさにつて力説するも、作詞をした吉元由美さんの名前がなかなか出てこない彬良さん(笑)
    • ヤマトってどういう話なんですか?と言われたときに、戦争映画とは答えたくないし、もちろん戦争映画でもないから、忸怩たる気持ち、葛藤がある。ヤマトから何かを見つけようとしていた中で、大きな和、Great Harmony=ヤマト、と言ってくれたときに、ヤマトを信じてきてよかったと思った。
    • 2199の最後がこの曲だったのが、いろいろな意味で象徴的。耳コピから初めてきたなかで、ようやく到達した。

<コンサートの件>
ブルーレイのコメンタリーや、昨年のヤマトークと概ね同じ内容でしたので、省略。
オーケストラ・コンサートに関しては、常設楽団のオーケストラは4日拘束でいくら、みたいな費用感だけど、2015コンサートはスタジオミュージシャンだから時給計算で大変だったようです(笑)

<2202の件>

  • まだ絵は見ていない(笑)
  • 第一回目の録音はトラックダウンまで終わってるけど、責任が重くなってる感がある。
  • バージョン違いを含めて86曲録音済み。
  • 彬良さんは第一作は濃厚に覚えているけれど、さらばヤマトの記憶がほとんどない。例のパイプオルガンの曲のせい?(笑)今回もやはり耳コピから開始して、3週間ほどで作った。
  • パイプオルガンはすみだトリフォニーで収録した。このホールのオルガンがとても良く、多彩な音色が出せる。演奏したのは彬良さんではないが、さらばに寄せた音色になっている。
  • 演奏者の人が、オリジナルの曲をしっかり予習してきていたけど、演奏だけで彬良さんだと見抜いていた(笑)。
  • 彬良さんが演奏指導をしたのだが、その指導のイメージがどこから来てるのか?→あのときの自分だ!(笑)→自分が録音したときの父親と同じことをやってることを認識するw


さらば宇宙戦艦ヤマト「白色彗星」を弾いてみた:楽譜付き
この動画のちょうど3分経過したところからの部分に関して話していて、タッター、タッター、タッター、タッ・・ター!!のニュアンスがどうの、ということでしたが、ええもう私ですら完全にコピーできているわけです。コピーできたのは、ひとえに彬良さんの演奏に説得力があったからです。彬良さん自身も「17歳の自分は意外に表現力があったのかもしれない」と言っていました。
以下、つづきです。

    • パイプオルガンの新曲ということで「接近」を聞くことができました。予告編に使われたのは、前作の劇伴ですが、そのニューバージョンですね。
      会場で耳コピ採譜した楽譜ですw
      f:id:Harnoncourt:20161207203303p:plain
  • 今回、さらばヤマトの音楽と対峙して、泰先生がまじめにメロディを考えて作っていたことがよくわかった。
    • デスラーのテーマや、哀しみのテーマ(想人のこと?)、大いなる愛はもちろんだけど、悲しいメロディをいくつも書き分けている。それは、真心で紡いでいるのだと思う。メロディという作品に心を映し出す。そんな父親は偉いと思う。まだまだ学ぶところがあります。
  • ということで、「デスラー 孤独」の8小節を鍵盤ハーモニカで演奏してお開きとなりました。

*1:アカデミー絡みだと、ワンサくんの直後がヤマト

*2:制作結果への執着がすごかったのは皆さん御存知の通り。