音楽図鑑 - 近況報告

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デジタルピアノ&ステージピアノ新機種レビュー(2017年版)の巻

Roland RD-2000を購入しようと画策する日々を送っていますが、購入を決める前に他の機種も見ておきたいということで、たくさんの電子ピアノ・ステージピアノが比較できる島村楽器新宿店で比較試奏してきました。

ヤマハ:グラビノーバCLPシリーズ

3年サイクルで新製品を出すヤマハは、今年もスケジュール通りに新機種を発売しました。その内容は、より明確にカワイを意識したラインナップです。どういうことかというと、まず上位2機種4モデルにグランドタッチ鍵盤という、明らかにカワイCAシリーズを模倣した鍵盤を搭載し、それ以下の機種と差別化するという戦略です。黒鍵の素材も格段に良くなりました*1。これでようやくカワイと対等に渡り合えると思います。あと上位機種しか搭載していなかったベーゼンドルファーのサンプルを下位機種にも搭載したことで、下位機種も売れているそうです*2。カワイよりも演奏しやすいのが特徴だと思いますが、いい加減に弾いてもありえないほど同音連打が入ってしまうとか、甘いタッチでもきれいに鳴るとか、気持ちよく弾ける要素が満載で、自分がうまくなったと錯覚する危険性があります。ヤマハの方針(音楽をエンジョイする)には沿っているとは思います。

Clavinova(クラビノーバ) CLPシリーズ - 電子ピアノ - ヤマハ株式会社

コルグ:G1 Air

松井咲子を起用して勝負に出たらしいステージピアノです。波形はスタインウエイ、ベーゼンドルファーヤマハの3種類のサンプルを搭載しています。スタインウエイはKRONOS流用っぽいですが、強弱の段階が省略されているようで(3段階くらいしかない)、表現力が乏しいです。ヤマハも同様。女性をターゲットにした感があり、鍵盤を撫でるような弱いタッチで弾いても芯のある音色が出る設定になっていて、その意味では弾きやすいと思います。問題はベーゼンで、これの波形だけ音色の段階数が多く、弱音の表現力が格段に高いです。柔らかい音色が好きな人は、ベーゼンで弾いたほうがいいと思います。下記のホームページでデモ演奏を聞けますが、ベーゼンだけランクが違うことがわかると思います。

www.korg.com

ローランド:RD-2000、FP-90ほか

RD-2000と同じPHA-50鍵盤を採用したことで話題のFP90は、実質的にはRD-2000のマスターキーボード機能とV-piano音源を省略し、スピーカーをつけたモデルです。スピーカーとアンプを内蔵した分だけ、RD-2000より重くなっています(23.6kg)。ということで、自分はRD-2000でなく、FP-90を購入しようと思います。これで十分なので。ローランドのピアノ製品は、PHA-50鍵盤採用モデルとそれ以外という区別が明確ですね。あとこれも話題になったKIYORAは、外観がオシャレなFP-90です。FP-90は見た目が野暮ったくて20万円超の高級感とかまったくないのですが、KIYORAの高級感は素晴らしい。サウンドデザイナーがアプリ経由というのが欠点ですね。デジタルピアノは10年くらい使えますけど、タブレットスマホはせいぜい3~4年で買い替えますし、古いアプリはどんどん使えなくなります。

www.roland.com

 

新製品ではありませんが、今回もカシオGPシリーズを試奏してきました。弱音の表現力では、やはり段違いだと思いました。次がローランドの製品で、ヤマハ、カワイになるともう弱音の表現はあまり望めません。GP-300や500を弾いていると、自然に音色や音量を意識した演奏になりますので、中級以上のピアノレスナーのかたでデジタルピアノの購入を考えている際はぜひ考慮していただきたいと思います。

※追記

KORG Grandstageとnord piano 3も試奏しました(結局nord piano 3を買った)。レビューは下記参照。FP-90を買わなかったのはPHA-50鍵盤に違和感を覚えたからで、そのあたりのことも書いています。

 

harnoncourt.hatenablog.com

 

*1:電子ピアノの黒鍵の素材の悪さについては、以前から多くの人が指摘しています。

*2:最初からやれよ、と思った人も多いでしょう。