クリスティアン・ツィメルマンのシューベルト ピアノソナタ集の巻

録音嫌いで有名なツィメルマン久々の CDでございます。

Schubert: Piano Sonatas D959 &

Schubert: Piano Sonatas D959 &

 

 昨年1月のリサイタルで演奏した20番D959と21番D960 の2曲入り。演奏解釈はリサイタル時とほとんど変わっておらず、D960の終楽章のちょっと変わった弾き方(聞けばわかる)も同じでした。フォルテの音量はリサイタル時点より上げており、「そんなに全力で弾かなくてもいいのでは」と思う部分もありますが、ドラマチックにしたかったのかなと思いました。その結果、いい意味で巨匠っぽくない、若さや瑞々しさが表現されていて、この曲を作ったときのシューベルトはまだ十分に若かったということを伝えてくれます。

アゴーギク(テンポ変化)に関しては、たとえば内田光子さんなどは、コーダのリタルダンドをかなりしっかり止まりそうになるまで遅くしますが(自分もそうやって弾きます)、ツィメルマンはあまり遅くしないでスッと抜けるようなところがあって、必要以上にセンチメンタルにしないことを心がけているように思えます。カンタービレの歌いまわしもどこかカラッとしていて湿っぽくなく、健康的なシューベルトだと思いました。

※昨年のリサイタルの感想は下記をどうぞ。

harnoncourt.hatenablog.com

グラモフォン関係ではキーシンベートーヴェン2枚組も購入済みですが、まだ聞けていないのでレビューは後回しで。以前ほどではないんですが、相変わらずクラシックの新譜はいろいろ聞いていますのでレビュー頻度を上げたいと思ってます。