シャルル・リシャール=アムランについての巻

どうかすると「マルク=アンドレじゃない方の」という前書きを付けられてしまうカナダ人ピアニストのシャルル・リシャール=アムラン氏ですが、最近改めてYouTubeにUPされた数々の動画を見て、すごいピアニストではないかと思った次第です。音色のパレットが豊かで透明感と温もりがあり(ヤマハCFXの良さが存分に発揮されている)、感情表現の振れ幅も大きく、しかしきちんと統制が取れていて破綻するところがないという、ワタシ的に大絶賛のピアニストです。血が通ったアンスネス、体温高めのアンスネスと考えてもよろしいかと思います。


Charles Richard-Hamelin – Piano Concerto in F minor Op. 21 (final stage of the Chopin Comp. 2015)

ショパコン本選でのショパンの協奏曲2番です。これはすでにコンクール演奏のレベルではないです。ブレハッチの2番を生で聴いたことがあって、そのときはショパンの生まれ変わりみたいな演奏だと思いましたが、この人の演奏はスケール感が全然違います。


Charles Richard-Hamelin – Sonata in B minor, Op. 58 (third stage)

同じくショパコンでのソナタ3番ですけど、やはりパッションとスケール感がすごい。フィナーレの主題3回目で「安全運転だと思った?こっから飛ばすぜ!!」みたいなアクセルの踏みこみ具合が曲想にマッチしていて最高です。ブラボー。

 


Charles Richard-Hamelin – Polonaise in F sharp minor Op. 44 (second stage)

中間部の表現が難しいとてもポロネーズ5番ですが、冒頭とは明確に音色が変わって暖かな世界を見せます。この部分を持て余す人が多い中では抜きん出ています。

 


Charles Richard-Hamelin – Nocturne in B major Op. 62 No. 1 (Prize-winners' Concert)

入賞者演奏会でのノクターン17番。外見がこれなので、ビッグベアとか言われてたらしいですが、ブロンフマンにしても良い音色を出すには身体が大事なのでしょうか。

 


Charles Richard Hamelin – Prelude in C sharp minor Op. 45 (third stage)

2015年のショパコンで一番ビビビッときたのがこの前奏曲op.45の演奏でした。大人の解釈ですね。

 


Charles Richard-Hamelin plays Kapustin's Etude op.40 no.3 "Toccatina"

イマドキのピアニストらしく、カプースチンのトッカティーナなんかも弾いてます。

 


Charles Richard-Hamelin – Piano recital (Chopin and his Europe 17.08.2017)

昨年のリサイタルより。シューマンソナタ1番は堅苦しいい解釈でなく、若々しい青春のロマンが前面に表現されているようで好感が持てます。

打鍵・離鍵の速度がやや遅めで、切れ味という点ではちょっと鈍いという気もしますけれども、音色の良さは何者にも代えがたい資質で、今後が非常に楽しみなピアニストです。今年来日するので、行ける演奏会のチケットは全部押さえました(笑)