GODZILLA 星を喰う者/ボヘミアン・ラプソディ の巻

連チャンで見てきました。

GODZILLA 星を喰う者 

harnoncourt.hatenablog.com

 こちらの続編で完結編。表面的な部分では腐女子向けに舵を切った観念的な耽美映画になりました。LoveはないのでBLではないです。ゴジラもギドラも舞台装置以下だし、女子キャラも存在意義がさらに希薄になりました。
前回のレビューで書いたとおり、カオスな思想をもつ勢力が衰退したので、宗教的な思想の勢力が増大するお約束のメガテン真・女神転生)展開でした。メガテンなので、宗教家が供物を要求したあげく異世界から神様が出てきて、この神様に恭順せよとか言い出して、主人公がそんなバカなことあるかよ!と抵抗する流れを予想したんですが、まさにそのとおりになりました。どっちらけです。ラストシーンはとってつけたような「さらば宇宙戦艦ヤマト」だし、発想の乏しさに情けなくなりました。まどか☆マギカがパクリだって書いたら噛み付いてきた人がいたけど、やっぱり虚淵氏はパクリしかできないことが改めて露呈しました。心底業界から消えてほしいです。もっともこの出来ばえでは次に声がかかることはないと思いますが。
本作品は三部作を通して、人間は本質的にエゴイストだということをずっと描いているところは首尾一貫しています。フツアの民ですら自分たちの思想を押し付けるし、最後に主人公が究極に自己中心的な選択をして終わるのもまさにそれです。死ぬなら一人で死ねよって思うんだけど、メカゴジラ細胞を利用されたくないっていうだけで道連れにするという清々しいまでのエゴイストぶりです。
ただその描き方があまりにも安っぽいし、どこかで見たようなシチュエーションだらけなのがひどかった。第一作の時点でこんな安直な企画が通って予算が出るのが信じられなかったのです。シン・ゴジラの利益、それは金銭的なもの以上にゴジラ映画の面白さを世間に再確認させたこと、をこんなカタルシスのない映画に使ってしまうなんて本当に残念です。

ボヘミアン・ラプソディ

絶賛されてますが、フレディ個人のドラマとクイーンというバンドのドラマの両方を描こうと欲張った結果、どちらも最後で中途半端になるという残念な出来栄えでした。ライヴ・エイドに至るまではほとんど完璧で文句のつけようがございませんが、ライヴ・エイドをクライマックスに持ってきたのが失敗だったと思います。彼らのゴールはラストアルバム「Made in Heaven」なので、ライヴ・エイドはあそこまで濃密にしないで、その後をしっかり描いてこそ名作になったのではないかと思います。そうすると3時間くらいの尺になるんですけど、むしろそのくらいがちょうどいいでしょう。
フレディが自らの性的嗜好に気づくところとか、ゲイっぽい趣味に満ちた家の様子とか、バンドのレコーディングの様子(おもしろい)とか、いちいちディテールが凝っててよかったし、そこに製作者の愛を感じました。上映後拍手が起きたことを申し添えておきます。まあ拍手したのは私ですけどw