【音楽用語シリーズ】ポコ poco 、ウン・コポ un poco 、ポコ・ア・ポコ poco a poco の違いの巻

英訳すれば一発で解決する問題だったりするので、みなさん覚えておきましょう。
poco → little(ほとんど~でない)
un poco → a little(少しだけ~である)
poco a poco → little by little(少しずつやれ)

つまり、poco は little と同じく否定的な単語ということを理解する必要があります。

よく使われる用語の poco piu animato は、急に速くするな・いきなり盛大に弾くな(このあとで盛り上がるからそこまでガマンしろ)という一時的な抑制を促す意味で使われることが多いと思います。カッコ内を読み取るのが大事です。もちろん、楽譜をキチンとアナリーゼすればカッコ内を補完するのは容易です。

非常に有名で、なおかつしばしば指示を守られない poco piu animato がショパンの「別れの曲」の中間部の冒頭です。この曲の中間部は徐々に盛り上がって最終的に bravura(華麗に弾きなさい)という指示が入るほど華やかな技巧的パートが控えているので、最初から盛り上げちゃダメって釘を指しているんです。でもいきなりガチャガチャ弾く人が多いですよね*1

*1:私のことではありません。決して!