米倉利紀 pink ELEPHANT の巻

毎度のことですが、ボーカルをしっかり聞かせるアレンジ&ミックス&マスタリングがされていて、とても心地よく聞けました。ライブのバンマス呉服隆一さんと、久保田利伸のアレンジをやってきた柿崎洋一郎さんがアレンジで参加。呉服さんはアヴァンギャルド系が多く、柿崎さんが微妙に古めのサウンドを担当してバランスを保った感じです。 

全10曲、5+5の二部構成で5曲目とラストの10曲目がアコースティックな弦を用いたバラードになっています。コンセプチュアルなアルバムですね。
このうち5曲目の「光芒」がめちゃエロくていいです。9割くらいファルセットですけど、ライブでも完璧に歌ってくれるでしょう。

2曲目の see EYE to EYE はテクノっぽいアレンジで、テーマはおそらく空耳アワー(笑)。英語は日本語っぽく、日本語は英語っぽく歌うことで空耳だらけになっています。たとえば、see EYE to EYEは「私愛と愛」に聞こえます。おもしろい。

全体としては肩の力が抜けたアルバムで、数年前に顕著だった「弱い僕を愛して欲しい」的な、愛に飢えた自分をナルシスティックに嘆くどこか自慰行為的な曲は影を潜めたので、大人になったなあと思いました。(えらそう)

pink ELEPHANT

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