※使用音源 ・ストリングス:Vienna SYNCHRON Strings pro ・金管:Cinematic Studio Brass、Vienna SYNCHRON'zed edition(トロンボーンのみ) ・木管:Vienna Instruments Woodwinds ・打楽器:Spitfire Hans Zimmer Percuttion Pro、Vienna SYNCHRON'zed edition ・ピアノ:Ivory II American D ・空間系:Vienna MIR(初使用)、C2-B2
トロンボーンは、Cinematic Studio Brassだと高いDの音が出なかったのでViennaを使いました。Viennaは他のメーカーより発音域が広いことが多いので助かります。
Roland SL-JD80-04 Strings Ensemble JD-800用の波形拡張カードです。奏法バリエーションは少ないし、生音とは違うのだけど、低音域がよく伸びていて極めて高品位。コントラバスの音圧がすさまじく、今でもこれを超えるサウンドはなかなかないと思っております。JD-800自体がよくできたシンセでした。
ここまでの音源は、すべてドライな(残響感がない)サウンドです。自分はこれに慣れてしまったので、次に上げていく残響感のあるソフト音源に苦労することになります。またINTEGRA-7で感じたレガートの難しさをクリアできる音源は、自分が所有している中ではLASSとCSS(Cinematic Studio Strings)になります。
EastWest Quantum Hollywood Strings QLSOの弱点をよく補っています。divisiもあるし、残響感も減っています。音色も厚めでスロ~ミディアムテンポの曲にはよく合います。表現力もあるし、ベロシティクロスフェードも自然です。ただしオーケストレーションが雑だったり、音量コントロールを誤ると中音域が重いもっさりとしたサウンドになって響きが混濁します(反省)。 問題点は、アタックが遅くて速いパッセージに追従できないので、速いパッセージに弱いことです。実はこれ、多くの音源に該当することなのですが、Hollywood Stringsは全体的な出来が良い中でアタック速度だけが残念なのでメインになりにくいというところがあると思います。あとPLAYというソフトでコントロールするのですが、操作性が非常に悪くてつらいです。また多くの人が指摘する通り、大容量のパッチは読み込みに時間がかかるのでSATAより高速なm.2(NVMe規格)のSSDをUSB3.1やThunderbolt 3接続で使ったほうが良いと思います。 ちなみにシン・ゴジラ劇伴のPersecution of the masses*5の弦がこれだそうで、中音域の重苦しさが忍び寄る災厄を予感させるようで見事だと思います。
Cinematic Studio Strings 通称CSSです。自分のように、LASSと組み合わせて使っている人がけっこういるようです。両者は相互補完的なところがあって、CSSはdivisiは使えないですし、LASSのようなヒステリックとさえ言える高域の伸びのよさはないものの、音程は安定していて適度な厚みと暖かさのあるサウンドです。そんな感じなので、フレーズの開始部は繊細な表現ができるLASSで作り込んで、サスティンの厚みはCSSで表現する使い方になっています。 CC01が強弱、CC11が音量という設定はLASSと同じなのでレイヤーで鳴らしても良いのですが、LCSSは音の出方がかなり遅いので注意が必要です。LASSと同タイミングで鳴らすと明らかにずれますので、MIDIデータを少し前にずらす必要があります。高域が伸びないことは誰でもすぐ気づくと思いますが、EQで補正可能です。