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ツィメルマンのバツェヴィチ作品集の巻

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もう発売されないのではないかと危惧されていたのですが、ようやく世の中に出てくれました。現代音楽というより新古典主義っぽい雰囲気で、ソナタ形式とか、スケルツォの三部形式とか、構成的にはわかりやすいです。でも全体としてはチンプンカンプン(笑)…

小室先生がソロアルバム発売の巻

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だからお前は歌わなくていいってあれほど言われたのに!でもあのシャクレ声が意外と好きなんですけどね(笑)。 よくわかんないのですが、「Digitalian is eating breakfast(1989年12月発売)以来22年ぶり」とかガセネタすぎて酷いです。どうもプレスリリー…

アルフレッド・パールのベートーヴェン:ピアノソナタ全集の巻

結局、全集を買ってしまいました(笑)。 結論としては、「若いのによくここまで確信を持って弾けるな」でございます。このピアニストは私より1歳年上なんですが、自分が同じ年代だったときに果たしてこれほどの精神力と確固たる裏づけを持っていたかという…

内田光子のモーツァルト:ピアノ協奏曲第20番&27番の巻

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昨年の来日公演で聴いたプログラムと同じ曲目のCDです。デッカということで少し心配していたのですが録音は非常によくて、内田さんの繊細なピアニッシモからズシリとくる低音のフォルテまでしっかり再現しています。特にウナコルダを踏み込んで作り出す弱…

ロルティのベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集の件で追記の巻

だいたいひととおり聞き終わったのですが、初期の曲の演奏がかなり素晴らしいので改めて追記です。デュナーミクは激しく、しかしフレージングは麗しく、という感じで、ううむ、これはもう文句のつけようがない。でも唯一気になったのは悲愴の第一楽章で、第…

ブリリアント・クラシックのブラームス室内楽全集の巻

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だいぶ前に買って放置状態だったので少しずつ聴いてます。クラリネット五重奏曲があまりにも素晴らしくて泣けるので、クレジットを見たらカール・ライスターでした(笑)。他にもピアノがアントルモンとか、超一流演奏家が勢ぞろい。演奏解釈はみなさん割と…

ロルティのベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集の巻

http://www.amazon.com/Louis-Lortie-Complete-Beethoven-Sonatas/dp/B0040MF1XK 単発で出ているのは知っていたのですが、未録音の曲があって揃わないので待ちを決め込んでいました。そして今年の後半に未録音分(30〜32番!)を録り終え、めでたく全集…

SLEEPWALKERS:社会復帰したDavid Sylvianの巻

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9月に出ていたのにお勉強が忙しくてすっかり忘れており、先月ようやく購入しますた。私はシルヴィアンに関しては例のマナフォンがあんなすごいことになっていたので「もう好きなことやっていいよ〜(泣)」という悟りの境地に突入していたんですが、このコ…

シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集&幻想曲by内田光子の巻

昨年のソロリサイタルで素晴らしい演奏を聞かせてくれたのでかなり期待していたのですが、これは・・・もう音楽というより文学ですね。楽譜を通して伝わってくるシューマンの想いを、内田光子が代弁している世界。またその読みが深い。 以前の録音(謝肉祭&…

キーシンのモーツァルト・ピアノ協奏曲の巻

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面倒なのでジャケ写真なし。弾き振りで、とにかく非常に丁寧。しかしゴチャゴチャ細かいこと考えすぎという感じ。キーシンの特徴である粒立ちのよい音色での思い切ったフレージングがあまりなく、かなり欲求不満になること請け合いです。1つ1つのパッセー…

ゲルギエフはやればできる子の巻

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ラフマニノフの交響曲第2番。60分超の愛欲全開&全壊ワールド。俺様大歓喜のCDです。 この人は仕事をしすぎなのか、当たり外れのある指揮者です。自分は生では当たりというか、ほとんど大当たりといってよい演奏を聴いてるのですが*1、それでも「今日は…

堀米ゆず子のラロの巻

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日本人バイオリニストとしては最も気に入ってる堀米ゆず子さんの新譜。スペイン交響曲とロシア協奏曲を収録。いまいち録音が良くないのですが、音量を上げるとこまかなニュアンスがわかって楽しめます。もともとアピール力がすごいし、熱っぽい表現力がある…

ルドルフ・ブッフビンダーのモーツァルト:ピアノ協奏曲全集の巻

オケはウィーン交響楽団。弾き振り。ブッフビンダーは内田光子の技術面がヴィルトゥオーゾになって弱点が消え、しかし演奏解釈は少し醒めたようなタイプのピアニストで、要するにめちゃウマかつ聴きやすい演奏をする人です。でもウィーンっ子の使命感からか…

Manafon/David Sylvianの巻

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シルヴィアンさんはこのアルバムをわれわれにどうやって聴けとおっしゃるのでしょうか?もともとお経ミュージックの人だから覚悟はしてたけど、60分間延々お経を聞かされるとは予想できず。まあ、でも、やりたいことはわかった。やっぱりこの人は本物の吟…

トルルス・モルクのチェロ協奏曲集の巻

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Virgin Classicsからリリースされている5枚組廉価版です。かなり重い曲で構成されていて、一気に聴くと死ねます。収録曲はハイドンの2曲、ドヴォルザーク、チャイコフスキー(ロココ変奏曲)、プロコの交響的協奏曲、ミヤスコフスキー、ショスタコ2曲、ケ…

ヴィルヘルム・ケンプのシューマンの巻

DGから4枚組で出ているので聴いてみました。1967〜75年にかけて録音されていて、音質はまずまずです。しかし枯れているというか、やはりメカニックの衰えが酷い。打鍵、離鍵ともに速度が遅いし、細かな動機のアーティキュレーションの特徴づけも弱…

アンスネスが化けた?の巻

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最近すっかり興味を失っていたアンスネスの「展覧会の絵」を聴いてみました。驚いたことに、ホロヴィッツ編曲版を弾いてます。近年のクラシック界は原典主義で、この曲もムソルグスキーのオリジナルを弾く人しかいませんでした。ときどきホロヴィッツ版を弾…

チェチーリア・バルトリさんは飛ばしまくりの巻

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「禁断のオペラ」から企画物っぽく1枚ごとにテーマを変えて完全に独自路線を歩み始めたバルトリさんですが、今回はカストラートに焦点をあててます。ジャケット写真をはじめコスプレCG写真満載の上に、昔の去勢手術の様子のイラストまで載ってるありさま…

すぎやまこういち最高傑作の巻

http://www.amazon.co.jp/dp/B002E1HL0K/ やっと出た「イデオン総音楽集」。もちろんレコードは持っていて、擦り切れるほど聴いているのでほぼ完璧に記憶していたとはいえ、こうしてようやくCDを入手できると嬉しさもひとしおです。20年ぶりくらいに聴き…

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破の演出についての巻

はじめに ヱヴァンゲリヲン新劇場版を序、破と見てきて、破の演出のグレードアップぶりに驚いたので少し書きます。ネタバレがいやな人は読まないでください。 「繰り返しの物語」 庵野総監督の言う「繰り返しの物語」が演出上でも生かされていた。庵野氏の作…

ロルティすげえの巻

ラヴェルのピアノ音楽のCD聴き比べをやってるわけですが、ラヴェルの意図どおりに弾いてるのはおそらくルイ・ロルティだろう、という結論に到達してしまいました。おそろしいほど精緻にニュアンスを盛り込みつつインテンポってのが凄いです。楽譜とニラメ…

マウリツィオ・ポリーニのショパン新譜の巻

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買いましょう。第一印象が「とうとう変わりやがったか、このオヤジ」。しかも良い方向性です。 ピアノ・ソナタ2番の第一楽章のリピートでGraveまで戻った瞬間に、「あ、やりやがった(ニヤリ)」という感じ。若い頃に録音したときとは解釈が違うどころか、…

ネルソン・ゲルネルのショパン・バラード集が素晴らしかったの巻

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実はショパンはすっかり食傷気味で、演奏会などプログラムにショパンが入っているだけで聴く気がなくなったりする今日このごろです(おいおい)。ですが久々に感動したCDに出合ったのでご紹介。ネルソン・ゲルネルのバラード集です。ワルシャワのショパン協…

アブデル・ラーマン・エル=バシャのショパン全集の巻

ショパンのピアノ独奏曲がほぼ網羅された全集で、作曲年代順のCD12枚組みです。エル=バシャは典型的なバランス重視・構成重視タイプのピアニストなので、ディテールに凝ったことはほとんどしませんし、強弱表現もテンポ変化も控えめです。 ではどこが魅…

ゴーティエ・カプソンのラフマニノフ・チェロソナタがすごかったの巻

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http://www.hmv.co.jp/product/detail/2664329 上記のHMVレビューで私の感想と正反対のことを書いている人がいるので「世の中にはこうも感性の違う人がいるんだぞ」ということを知らしめるために、ここで大絶賛します。 私がショパンの曲とともに偏愛してい…

アンスネスはやっぱりアンスネスなのか…の巻

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期待のモーツァルト ピアノ協奏曲第20番(弾き振り)のCDが出たのですが、予想以上にテキパキさくさく弾いて下さって、トホホのホという感じです。ものすごくうまいのですが、どうしてそこまでスタイリッシュに、綺麗にまとめてしまうのかわかりません。…

久しぶりにデュラン・デュランを聞いてみたの巻

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セヴン&ザ・ラグド・タイガーのリマスタリング盤を入手したので久しぶりに聞いてみました*1。メロディや歌詞は覚えていたのですがコード進行は綺麗さっぱり忘れている曲もあって、なんというか、えげつないほど強引な転調っぷりに驚いてしまいました。メン…

メモ:最近すごかったCD

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音楽図鑑Classic用にいろいろ聴き比べをしているのですが、すごいのがあったのでご紹介。 ショパン チェロ・ソナタ&小品集:トルルス・モルク(VC) ショパン チェロ・ソナタ&ピアノ三重奏曲:イジー・バールタ(VC) ショパンのチェロ・ソナタなのですが、い…

誰か彼女を助けてあげてください。の巻

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彼女とはもちろん矢野顕子のことである。先日めでたく新譜が出たが、あまりにも無惨なプロデュースに言葉を失ったのは私だけではあるまい。今日は、この数年間にわたって彼女に関して私が思っていることを書きたい。 まず、カバーアルバムを出すというのは、…

プレトニョフのベートーヴェン ピアノ協奏曲2&4番の巻

いよいよ第二弾が登場しました。相変わらずオケもキレキレ、攻めまくりのものすごい演奏です。一瞬一瞬が美意識の権化みたいな音色ですが、もう少し引いて聴くと動機の特徴づけや、ピアノとオケの呼応が非常に丁寧に、しかし粘着質にならないように歯切れよ…