人生を力強く肯定する名曲の巻

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チャイコフスキー交響曲第5番。今年クリストフ・エッシェンバッハ指揮フィラデルフィア管弦楽団の演奏会で聴いてめちゃくちゃ感動したので、ゲルギエフのCDを聴いてみたのですがやっぱりイイ!!エッシェンバッハのアプローチも良かったが、音楽の流れに身を任せてしまえるゲルギーの気持ちよさは格別です。この曲、ロシア系オケの録音(ムラヴィンスキーレニングラード響のCDが有名)だと金管が一本調子になりがちで、もうちょっと繊細なニュアンスも欲しいなと思っていたので、ゲルギー&ウィーンフィルの録音は願ったり叶ったりでした。
音楽的には全楽章通じて主題動機がかなり緊密に張り巡らされていて、用意周到に作曲してることがわかります。でもそんなことより、最初に短調で重苦しく始まった序奏と主題が最後は長調の輝かしいファンファーレになっちゃうという、予定調和が見え見えで、でもバッチリ感動させてくれる仕掛けが好きです。チャイコフスキーさんもいろいろ大変な人生だったようですが、この曲を作ったときは充実してたみたいです。(ただし構成がわかりやすすぎることに関しては、後になって反省していたらしい。ストレートに作りすぎた気恥ずかしさみたいなものもあったんだろうけど。)
ゲルギーもその辺わかっているからもうオケを煽りまくり。例によってウィーンフィルが崩れそうになったりするのですが、そういうスリリングな瞬間すら演奏効果になってしまうという魔力があって、最後は爆発的に盛り上がります。終楽章の再現部で弦tuttiの主題が朗々と歌われるところなんか、不覚にも泣けてきてしまったわけです。