やっぱりロストロポーヴィチは神だったの巻

サイトウ・キネン・フェスティバルのオーケストラAプロを聴きに松本までお出かけです。直前まで台風が来ていてどうなるかとヒヤヒヤしましたが、出発前には通過してしまい快晴になりました。よかったよかった。

※プログラム
チャイコフスキー バレエ組曲くるみ割り人形
チャイコフスキー 交響曲第5番
指揮:ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ
スラヴァ(ロストロポーヴィチ)が指揮をするとオーケストラの音色から別物になってしまうので、サイトウ・キネンならさぞや凄いだろうと思っていました。「くるみ割り」は個人技重視という感じで、アンサンブル的にはそれほど凄みを感じませんでした(完成度は異様に高かったが)。交響曲第5番は非常に素晴らしく、やっぱりスラヴァは神様だったんだと痛感しました。こんなに感動したのは久しぶりでした。
最初から懐の深さが段違いなのです。第一楽章の第一主題、ゆっくりしたテンポの「ざく、ざく」という弦の刻みは、深い雪道を踏みしめる重い足取りの行進です。ときおり入る木管楽器の「ひらひらひら」というフレーズは舞い落ちる雪でしょう。ロシアの厳しい寒さ、張り詰めた空気を感じさせる素晴らしい演奏解釈です。もうこの段階で涙腺君は降参しています(笑)。スラヴァは万事この調子で、ひとつひとつのフレーズがしっかりとした意味を主張するため、演奏の持つ重みや説得力といったものが半端ではありません。50分ちかい長丁場でしたがぐいぐい引き込まれましたし、深い共感を覚えました。とにかく言いたいこと書きたいことがいっぱいあるので、細かいことは後でまた掲載したいと思います。