FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDRENの巻

なにこの壮大なズリネタ。←下品ですみません。でも作り手と受け手が一体になってマスターベーションを楽しめればOKですかそうですか。90分間延々と続くPVを見せられた感じ。「それで本編はいつ始まるの?」みたいな。
最初から感情的になってしまいましたが、やはり自己満足的な脚本からはこの程度の作品しか生まれないと思います。野村はキャラデザだけやってストーリーに口出しすんなよ、と以前から思っていたのですが、今回は監督・脚本ですからね。まあ仕方がない。例によってうすーいセンチメンタリズムが全編を覆うストーリーに、どこかで見たような(FF8とか10とか10−2とか)演出。それに冗長な戦闘シーン。物理学を無視し人間の身体能力を遥かに超越した、ドラゴンボール(それもフリーザ編以降)のような高速戦闘は、見た目としてはすごいけど終わってしまえば「ふーん」という感じ。
「作り手と受け手の相互マスターベーション」という図式は、コミケで売られるアニパロ同人誌そのものです。今回の企画が、同人的発想からスタートしていることは間違いありません。ゲームのFF7にのめり込んだ自分としてはそれなりに楽しめました。しかしFF7をプレイしていない人にとっては全く理解不能なDVDです。独立した作品としての完結性を喪失しています。こういう作品はファンが同人誌で作って楽しむならまだしも、オリジネータたるスクエアが一般的な商業ルートに乗せるのは激しく本末転倒であると思います。お前らが作っちゃいけないのよ。逆説的な書き方をすると、このネタを共有できる人にとっては快感を得られるDVDだと思います。極めて刹那的ではあるけれど、甘美な快感に思える人も多いでしょう。炎の中のセフィロスなんかもーめちゃくちゃ格好よくて、その画だけでシビれるのね。いわゆるキャラ萌えってやつ。でもそれって果てしなく不毛です。