ユーリー・バシュメット ヴィオラリサイタル@神奈川県立音楽堂

ヴィオラの神様、バシュメットです。一部では鬼神などと言われているようですが、とても真っ当な音楽性の人だと思います。ただし、楽器の鳴り方とか音色とかに、他のどんなヴィオリストにも真似できない個性があって、特に強音を弾いたときの突き抜けた響きはまさしく超一流なのでした。
バッハ無伴奏は当初は第5番ハ短調がアナウンスされていたのですが第1番に変更されました。第5番は非常に重い曲なので、プログラムのバランスを考慮すると長調の第1番の方がよいのはわかります。が、自分を含めこの変更に落胆した人は多かったようです。うぬぬぬ、残念。さて実際の演奏は非常にテンポが速く、鮮やかというしかない見事なものでした。あのテンポだと演奏はかなり難しいと思うのですが、この人はもう技術的な難点がどうこうというレベルを完全に超越しています。シューベルトアルペジオーネ・ソナタは大好きな曲で、聴くことができて満足でした。っていうかピアノはミハイル・ムンチャンとお互い目配せすらせず微妙な表現をぴったり合わせるアンサンブルには脱帽です。後半のブラームスは降参。なにこの情念の迸りよう。確かに曲そのものが良いのだけれど、これまた5人のアンサンブルがぴったりで表現がとても深いのです。ちなみにアンコールはブラームスの2楽章でした。
あとホワイエで自叙伝(サイン入り)が売られていたので買ってしまいました←ミーハー。っていうかずっと読みたかったのですが、コンサートに行けばサイン本があるだろうと思って我慢していたんですw。