なんだか怪しい会社の巻

ライブドアが世間を賑わせていますが、10年近く前、オン・ザ・エッヂという名前だったときにこの会社の評価をしたことがあります。そのときは今よりずっと怪しい会社でしたw。「経営手法はソフトバンクに類似する。投資先としてはハイリスク・ハイリターン。ただし光通信のような業態とは違うので、それなりのリターンは見込める。取引先(商品やサービス売買の相手)としては不適。そもそもまともなサービスを持っていない。」という報告をした記憶があります。どうやって利益を上げているのか、本業は何なのかが不明でしたし、組織体制もしっかりしておらず、いわゆる真っ当な会社としての体を成していない匂いがプンプン漂っていたんですね。ナオミ嬢あたりともその辺を肴にして「いま最も怪しい会社といったら、オン・ザ・エッヂ!」「ってゆうか、ITバブルがはじけたらビットバレーは死屍累々で魑魅魍魎が百鬼夜行を繰り広げる地獄絵図になるわね!」みたいな会話で盛り上がったことがあります。(それにしてもビットバレーって、あっというまに死語になりました。)
その後エッヂは企業買収を続けて収益となるサービスを増やしていったようですが、きちんとした収益構造ができあがっていたサービスはライブドア証券だけといって良いでしょう。そして今回の騒動です。それまでさんざん持ち上げたくせに検察の捜査が入ったら一転してライブドア叩きに転じたマスコミも困ったものですよね。上場前から十分すぎるほど怪しかったんだってばw。私自身は積極的な株式投資をやってないのですが、アナリストから話を伺うことがあるので、こういう会社に対する見方とか、今回の騒動で感情的になってるライブドア株主についてコメントします。
投資は分散させるのが当然なので、特定の投資先がハイリスクだからダメということはありません。ハイリスクな投資先があればローリスクなところもあるのです。ハイリスクだからといって手を出さないのは投資戦略として得策ではありません。では投資家はどうするかというと、リスク分析結果などから投資比率を決めます。たとえば、ある会社が現在よりハイリスクな経営方針へ転換したら、そういう方針を好む投資家から注目されるようになるでしょう。それで株価が上がる可能性もあるのです。
でも、こういった醒めた視点でハイリスク投資先の1つとしてライブドアに投資していた人ばかりではないようです。本気でライブドアはイケると踏んでいた人も多いみたいですね。そういう人が堀江社長ブログに応援メッセージなどを寄せているようです。私は第三者なので非常に厳しい言い方しちゃいますが、そんな気持ちで投資している時点で株には向いてないのではないかと思います。好きな企業に対する思い入れと同じかそれ以上に、冷徹な評価や判断力といったものが要求されるビジネス。それが株取引です。