セカンドインパクトはアダムをいじっているうちに起きたアクシデントです。このアクシデントはゼーレにとってあらかじめ予定されていたものでした。前回説明したロンギヌスの槍の機能が、重要な鍵となっていることがおわかりいただけると思います。真実というほどおおげさなものでもないのですが、以下に2000年に南極で何が起きていたのかまとめました。
ゼーレが南極のジオフロントでやろうとしたこと
- 予想しうる使徒襲来への対抗策として、ヒトが制御できる安全なアダムのコピー(エヴァンゲリオン)を作る。
- ヒト(具体的には碇ユイ)の遺伝子をアダムに融合する。*1
- その上で、アダムを卵の状態にまで戻す。*2ちなみにアダムの卵=白き月(南極のジオフロント)です。したがってアダムを卵に戻す=アダムをLCL化してジオフロントに封印する、という意味になります。こうすれば、人類と敵対するアダム由来の使徒は誕生できなくなりますし、サードインパクトで白き月から人類を再生することも可能となります。*3
- 2番目と3番目を実行するために、ロンギヌスの槍のもつ遺伝子融合機能とアンチATフィールド機能を利用することになりました。
いよいよセカンドインパクト
- もともとヒトとアダムは相容れない存在ということはわかりきっており、成体のアダムに対する遺伝子融合実験が大なり小なり破壊的結果をもたらすのは予想の範疇でした。そのため、実験前日までにゲヒルン関係者とアダムのコピー(後のエヴァ零号機)と関連資料を南極から撤退させました。しかしゲヒルン以外でこの計画を知った人(部外者=葛城さんたち)には消えてもらうため、南極に残しました。*4
- セカンドインパクト当日、いよいよ碇ユイの遺伝子を仕込んだロンギヌスの槍をアダムに打ち込みます。*5
- まず遺伝子融合は成功し*6、渚カヲルが誕生します(この時点ではまだ受精卵みたいなもんですが)。
- ところが、S2機関のエネルギーを得た槍からアダムのデストルドー(自殺願望)がアンチATフィールドとして拡大を始めます。慌てた研究者たちは槍を引き抜き、アダム自身のリビドー(生存願望)を利用してアンチATフィールドを収束させようとします。しかし遺伝子を注入されたり、槍を出し入れされたアダムは勝手に暴走を始めます。エヴァの暴走に近い状態です。
- アンチATフィールドの拡大を阻止できず、南極大陸周辺の生命体はすべてLCL化します。
- アンチATフィールドの拡大途中で槍を抜いたため、行き場を失ったS2機関エネルギーは一気に解放されて大爆発を起こし、南極大陸は消滅しました。もちろん白き月もアダム自身も四散しました。