ショパンの幻想曲を弾いてみるの巻

ルイサダスーパーピアノレッスン模範演奏編DVDを楽譜を追いながら見ていたら、意外に弾きやすそうに思えたのでやってみました。実際、弾きやすかったです。すごい技巧を要するフレーズが見当たらないというか、全体的に無理がありません。ショパンの円熟期の入り口あたりで書かれた曲で、技巧よりもタイトル通りにファンタジーを追求したかったんだなということがよくわかります。モーツァルトの幻想曲を意識してるっぽいところもありますし。
演奏技術的にちょっとイヤだなと思ったのが、右手が2声でカンタービレに歌うところで、タッチに気を遣わないとデコボコしてみっともなくなります。あと左手が三連符のアルペジョを奏でる上を、右手旋律が8分音符1コ喰って(先走って)入って、そのまま拍子の裏打ちを続けていくあたり。ちょっと混乱します。それと最初の部分のオクターブユニゾンや、その後の「雪の降る町を」風のところとか、ものすごくデリカシーを持って弾かないといけません。音色、音量などかなり厳密に意識して制御する必要があります(1つでも変な音が入ると、静謐な雰囲気が崩れてしまう)。
まあでも初見でけっこう弾けました。葬送ソナタに比べればずっと弾きやすいし、ショパンの大きな曲の中ではおそらく最も演奏難易度が低いと思います。構成の把握が難しいので、他人に聞かせるレベルの演奏をするとなるとまた違った難しさが出てくると思いますが、こんなに苦労しないショパンの曲も珍しいのではないかと思うほど弾けました。ぶっちゃけ、速い指の動きを要求するフレーズがほとんどありません。*1これが弾きやすさの要因ですね。

*1:皆無ではないが、基本的なスケールやアルペジョなので、そんなに難しくない