METHENY/MEHLDAUの巻

CD買ったまま放置しまくりでようやく聴きました。う〜ん、上質フュージョンって感じ(笑)。でも最初に文句を言わせて。メセニーは1曲目からいつものメセニー節で、怒られることを覚悟で書くと、ちょっとマンネリ。もっと悪く言うと、この手のメセニーのプレイは飽きました。25年前から変わんないんだもん。インパクトとかテンションの高さでもライルとやったAs falls wichita...とか、Song Xあたりのコラボものと比較すると、もういかにもやっつけ仕事って感じの、気楽なセッション盤なんです。聴き応えという点では全然物足りないし、食い足りないのね。
ところがこの気楽な雰囲気がいい方向に作用してる曲ばかりで、お手軽に作られたであろう割には相当な名盤ではないかと思います。BGMとして流すつもりが思わず引き込まれたりもするし、メセニーはともかくメルドーのプレイがよいです。4曲目と7曲目以外ベーシストがいないんで、ピアノはどうしてもベースラインを弾かなきゃいけない場面が多いんですが、この制約のおかげでコード進行がわかりやすいです。もうちょっとアウト感というかスリリングな展開があってよいと思うんですが、多くのリスナーがこのデュオに求めるであろう「わかりやすいジャズ」ではなくなってしまうんです。そういう点でこのCDはお手軽に作ったことがわかりやすさとか、とっつきやすさに結びついていて、ジャズ初心者にも勧められる1枚になってるんじゃないかと思います。ちなみに4曲目と7曲目はベース&ドラムが入って、メセニー・トレードマークのギターシンセ炸裂系チューンになってます。
私のようなすれっからしファンとしては、まるでサザエさんを見るようなマンネリ感を覚えたメセニーのプレイより、メルドーに軍配を上げたい1枚。なんか貶してるんだか誉めてるんだかわかりませんが、とりあえず買って損はないと思います。