「ダンテを読んで」難所の巻 その1

いわゆる「リスト半音階」


左右の手で交互に音を取る半音階です。普通に左右1音ずつ弾くオクターブの半音階と、こういう風に弾いたのでは演奏効果が全然違います。どう違うのかというと、リスト半音階は自然に鍵盤を叩くマルカートな奏法になるので、スピード感や鋭い切れ味が圧倒的に向上します。この部分は減七アルペジョで上がってすぐ半音階で降りるんですが、現状でアルペジョは難しくもなんともないんですけど、同じ速度で半音階が弾けません。左右の手で交互に音を取り合うテクニックを練習したことないのでどうしようもない感じです。あとこの部分ペダル踏みっぱなしの指示になってますが、現代のピアノでは無理。半音階に入ると同時にペダル上げた方がいいです。実はこの曲は「このフレーズの間はペダル踏みっぱなしにしてね」という指示が非常に多いんですが、現代ピアノだと響きが混沌としてどうしようもないです。

素直じゃないアルペジョ


ショパンの練習曲Op.25-2とか前奏曲Op.28-8あたりにインスパイヤされたと思われるクソ弾きにくいフレーズ群。右手が問題なのですが、何気に左手も激しく跳躍していてミスしやすくなる罠が。ノン・レガート指示がさばけた感じがします。音のつぶ立ちを要求していて、レガート感はペダルに任せていいよ、ということですね。美しい旋律と相まった演奏効果はまさに抜群で、実はこういうフレーズこそがリストの真骨頂の一つだと思うんですが、アッチェレランド(だんだん速度を上げる)していくうちに指がもつれたり絡まったりして容易に崩壊します。エチュードのノリで正確に弾けるように練習しなくちゃいけません。
他にもピンポイントで弾きにくいところや、困難なフレーズがあるので紹介しようと思います。練習方法は各自で考えてください(笑)。