難易度の低い曲は初見でもそれなりに弾けました。いくつかポイントがあります。ポリフォニーを意識して、声部ごとのアーティキュレーションをきっちり表現し、音色と音量を丁寧に使い分ける必要があります。すると、自然にペダルが減って、テヌートやマルカートなどタッチの使い分けでポリフォニーを描き出す演奏になります。
私はヘンレ版を使用していますが、運指があまり良くないです。手が大きい人や、指間が柔らかくよく開く人向きになっています。また、シューマンの曲はペダル指定がとても大雑把なのも注意点です。シューマンのピアノ曲は基本的にどれもクララ(シューマンの奥さんで名ピアニスト)のために書いているので、適当な指示を書いても「あうんの呼吸」で真意を読み取って弾いてくれていたのではないかと思います。
知らない国
シンプルですが常に三声体で、ポリフォニーに慣れていない人にはかなり難しい曲です。特に左手→右手と受け渡すアルペジョの音量コントロールが技術上のポイントになります。アルペジョだけを取り出して左右で受け渡す練習をします。また、バスの進行が非常にロマンティックなので、これを美しく聴かせるために旋律+バスだけの練習もします。その上で三声を合わせると良いと思います。ちなみにペダルなしで弾くと、とてもよい練習になります。
不思議な話
これ、マズルカです。クヤーヴィヤクで始まって、中間部でオベレクに変化します。クヤーヴィヤクのリズム表現がポイント。1拍目の付点は少し長めにし、3拍目にアクセントを付けるようにします(ペダルは3拍目に踏み込んで、1拍目で上げる)。ポリフォニーが重音になって弾きにくいですが、アーティキュレーションが曖昧にならないようにします。