ブラームスのラプソディOp.79-1練習中の巻

本格的に練習中です。難曲というわけではないのでツェルニー40番程度の人でも十分に手が届くのですが、あちこち地味に弾きにくかったりするのがブラームスらしいと思います。以下に演奏上のポイントとかをまとめてみます。

  • 速い三連符の絡むフレーズはミスタッチしやすい上にリズムや拍子を崩す要因になりやすく、かなり危険。これを弾くときは、確実に鍵盤を目視して絶対にミスしない気概をもって望む(笑)。
  • 使用される音域が非常に広く、刻々と移り変わるので、次にどのあたりのポジションへ移動するのかきちんと把握して弾く。ピアノの最低音に近い音が出てくるときなどは、あらかじめ左側へ体重移動して準備しないとよい響きの音色にならない。

演奏技巧的には上記2点以外はあまり問題がないのですが、連続オクターブや大きなアルペジョが多いこともあって、手が小さい人だと全体的な難易度がアップしそうです。次に音楽的なポイントをまとめてみます。

  • 頻繁に転調する。臨時記号がコロコロ変わるので読み落とさないこと。特に速い三連符関係は要注意。
  • 主部と中間部の譜割りが全然違っている。中間部は自然にレガートで歌えますが、主部は「ドカン、ガチャン、ドスン」という感じにブツ切れに和音が鳴る雰囲気になりがち。少ない音数の部分のフレージングをよく考える。
  • フォルテの質の使い分けにこだわる。特に主部はフォルテからさらにクレシェンドとか、いったん緩めてクレシェンドとか、さまざまなデュナーミクが要求されている。
  • 基本的には最初から最後までテンポを変えない。中間部やコーダでいきなり遅くなるのはブラームス流の美意識には反すると思われる。