悲愴ソナタ第一楽章練習中の巻

というわけで、悲愴・月光・熱情を弾こうと思って、まずは悲愴からスタートです。クリスティアン・ツィメルマンが弾いてたくらいの精度で仕上げるぜ!と意気込んだものはいいものの、なかなかうまくいきません。現状の問題点は下記の3つ。

テンポを上げるとミスタッチ

だれもがブチ当たるのがこれだと思います。私の場合、第一楽章でテンポ120以上にすると例の跳躍&交差で音を外すことが増えます。打鍵前の準備を最短時間化できるように練習するしかない感じ。低音部に飛ぶときインテンポで弾くのが危険。ツィメルマンですら本番でミスして「ちくしょう!」みたいな顔をしていたし、どれだけ練習してもインテンポで飛べる自信がないので、少しルバートしちゃおうと思います。

譜読みの精度、デュナーミクアーティキュレーション

解釈的にはツィメルマンの影響が強くて、とにかくシリアス&疾走感全開でいくぜ!とか思っていたのですが、丁寧に譜読みすればするほど「あれ?違くね?」という違和感を持つようになりました。特にデュナーミクアーティキュレーションです。

  • 序奏は遅くていいのですが、最初の和音を「ズドーン!」と強打するのは変。sfではなくfpなので。ベートーヴェンが結構細かくデュナーミクを指示しているので、まずはそれに従ってみます。あとクレシェンドの開始点に注意します。たいていのピアニストは慣習的に弾いていて、楽譜どおりのデュナーミクになってない場合が多いです(笑)。
  • 第一楽章は随所にシンコペーションで食い込むパッセージの表現がポイントです。バイオリンなどで「裏拍なんだけど、あえてダウンボウで弾く」みたいなニュアンスが必要で、強すぎず、しかし緊張感を持って、アーティキュレーションを表現します。
  • 交差パッセージが特徴的ですが、同じリズムを異なるアーティキュレーションで弾かます。「ソドレミ」は低音だからチェロなんだけど、最初はピチカートで弾かせて、盛り上がるとアルコでゴリゴリっと弾かせる。このニュアンスの違いをきっちりアーティキュレーションの違いとして聞かせる必要があります。
  • 左手がすごく重要です。流れを作るのは右手ではなく、左手で。
手が痛い
  • 金沢に来る前はいろいろ忙しく、しばらくまともに練習できていなかったこともあると思うのですが、手を広げる筋肉が衰えていてつらいです。特に左手が開かない。なんか変かも。
  • 2週間くらい痛いのでおかしいと思って整形外科に行ったのですが、骨や関節には異常なし。
  • う〜ん、どうしましょ。