サントリーホール ホールオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」の巻

ルイゾッティ指揮によるダ・ポンテ3部作の最終回。1回目のフィガロは見逃したのですが、昨年の「ドン・ジョヴァンニ」がとても良かったので今年は期待していました。結果としては期待以上。歌手陣はテノールがちょっと苦しそうだった*1以外は問題なく、楽しかったです。ものすごくうまいというわけでもないのですが、みんなきちんと演技ができる人たちというのがポイント高い。あと伴奏に関しては、レチタティーヴォ用にフォルテピアノ(ルイゾッティが弾く)、チェンバロリュート、チェロのセットが用意されていて、バラエティ豊かなサウンドになってました。
結論的には「ルイゾッティすげえ」の一語に尽きるかと思いますが、絶妙に軽やかなアーティキュレーションや、ビブラート量の加減による音色の使い分け、脚本と一致したパッセージの強調(「木の葉が舞い散るよう」という歌詞が出れば、ひらひらとしたパッセージを強調する)など、繊細で緻密な伴奏だったと思います。まあぶっちゃけ日本のオケとは思えないような音色になっていました。すばらしいです。このシリーズは今年で終わりのようで残念ですね。ルイゾッティは海外での人気が上がっていて大劇場に取られないうちにツバ付けておくのが正解だと思います。

*1:モーツァルトは恐ろしく高音が出せる人を前提にテノールを書いている。