SPACE BATTLESHIP ヤマトの巻

見てきました〜。ヤマトっぽくないところとヤマトっぽいところが入りまじっていて、旧来のファンを混乱させまくる仕様です(笑)。でもイメージはきちんとヤマトだったので、そこは満足しました。全体としては尺が足りない印象で、とにかくどんどん消化して早く先に進まないと!みたいな慌てた感じがしました。2部作にしてエピソードを増やしたり、描写に厚みを持たせたほうがよかった感じです。

ヤマトっぽくないところ
  • 古代と森雪の関係性がヤマトじゃない。まあ、ああするしかないんだろうけど、でもヤマトじゃないです。始めはすごくいがみあってるのにいきなり仲良くなっちゃうのが変です。
  • 全体的にキャラ描写は不足気味なのですが、何しろ次から次へと課題がふりかかるので仕方ない。
  • 音楽と効果音がダメ。どっちも著作権的な問題があったようですが、宮川先生の曲が2曲しか使われないのはひどい。変なところでヤマトの主題歌のテーマが入るので「そこはその曲じゃないだろう!」「そこは想人だろう!」とかいろいろ言いたくなる。
  • 森雪の「さよならは言わないわ。行ってきます!」がカットwわかってねえよなあ。
ヤマトっぽいところ
  • 脇役陣はすごくそっくりな人と、全然違う人がいるんですが、みんな見事にヤマトっぽい。ブラックタイガー隊や空間騎兵隊(バカ揃い)の描写がいちいち秀逸で「ああこんな感じ」「きっとそうだよね」みたいな共感を得られます。
  • 変にセンチメンタル。地球とのお別れ通信とか、TV版より尺を使ってる感じですが、ああいうのは全部セリフをカットして映像だけで「真っ赤なスカーフ」を流せばそれで終わるんですけど。
  • デスラーに憑依された池内博之の演技が秀逸。目線や表情のもっていきかた、タイミングなど、斉藤とは完全に別人になっていて、いや〜役者ってすごいなと思いました。というか、この人は死ぬほどアニメ見て勉強しただろ、って感じ。
  • 真田さんは原作どおり。外見や表情だけでなく、発声まで似せてくる(笑)。最後、ニヤって笑ってくれたらいいな、って思ってたんだけど、ものすごくいい表情で「ニヤリ」だったので、言うことありません。
  • 「22世紀にそれはないでしょ」というテクノロジー(半二重の通信機とか、ハンドマイクとか)をガッツリ投入していて、そこはちゃんとわかってるんだなって感じです。
  • 宇宙には重力があります(笑)。
小ネタ満載
  • 沖田艦長の「バカめ」が違うシチュエーションで出る。ギクっとします。
  • 第三艦橋勤務です!」⇒笑うところ。
  • 「慌てず急いで正確に」え?こんなところで使っちゃうの?と思ったら、しっかり例のシーンで使ってくれた><あれみんな泣いたんじゃないの?
  • 柿崎風に撃墜されるブラックタイガー。こんなところでマクロスとは。しかもこのネタとは(笑)。
  • マクロスネタといえば、自動追尾型ミサイルを板野サーカスさせようという努力は見られました。努力どまりですが。
  • 沖田艦長がどんどん弱って死にそうになっていく感じをすごく丁寧に描写している。あれひどい。
  • 古代のラストカットが「さらば」と同じカメラワーク。カメラワークもできるだけ旧作を踏襲しようとしていますが、小ネタ止まりです。
演出の問題点
  • いろいろ詰め込みすぎ。そしてカットしすぎ。もうちょっと説明がないと、初見の人は理解不能と思われます。
  • バランスが悪いです。古代=沖田、古代=雪などのダイアローグのカット割が長く、ほかのシーン(割とサクサク進む)と時間の流れが違いすぎて面食らいます。
  • 復帰したらいきなり戦闘班長ってのはいかがなものかと。あと、そもそも戦闘班長としての仕事がほとんど描かれない上に、戦闘班以外のグループ紹介が異様に少なく、班長という役職の存在意義自体が希薄になってました。
  • 敵に乗り込んでからが長すぎ。あんなにダラダラ作る必要あったのかな?という感じ。
  • ヤマトが宇宙に出てから地球の描写がないので時間の流れなどがよくわかりません。荒れ果てた地球や地下都市の雰囲気がすごくよかったので、最初しか出てこなくて残念。
  • 今回は、ぶっちゃけイデの善き心と悪しき心が敵なので、もっとイデオンからパクった方がよかったと思います。全滅エンドはいやですが。