ヤマトの違和感について考えてみたの巻

どうにも実写ヤマトの主役のキャラ変更が納得できず、でも全体としてはきちんとヤマトで、細部にゴチャゴチャいいたいことはあるものの総じて面白かったので、そのあたりの違和感を分析してみるのココロ。

「ファン・フィクション」「二次創作」

ディテールや話の流れは原作と同じになっているのですが、主役キャラの設定が違うので、ヤマトの世界に無関係な人が突如として現れて古代&森雪やってる、という雰囲気。エヴァSSで定番の「現代人がエヴァの世界に転移したらシンジになっていて、だから逃げちゃだめだ!」みたいな雰囲気が濃厚です。話の流れが同じなのでキャラも同じだろうと思っていると、ここで面食らいます。実は脇役陣も二次創作っぽさが濃厚で、原作とは微妙に違うズレの出し方などは同人誌によくあるパロディと同じ。賭けてもいいけど、この映画の脚本書いた人(監督の奥さん)は腐女子でアニパロ同人小説書いていたはず。 アニパロって内輪で楽しむ分にはいいけど、一般的な商業作品でそれをやっちゃダメよね。
以上は原作を見てなくてこれが初見って人には気にならない要素だと思います。でもこのブログの読者で原作見てない人なんていないだろ(思い込み)、ということで初見の人のことは放置の方向で。

「見てきた感」

VFXを誉めてる人がいるけど、ちょっと待ってよ〜って感じ。VFXの絵的な質は高いのですが、演出がダメなんだ。まずヤマトを動かしすぎだろうと。アニメはあれを手描きするのが超しんどいので極力動かさずに止め絵を使っていて、パースや狂った遠近法(笑)*1を使って1枚絵で見せるのが基本で、そのために重厚だしボロが出にくかったんです。今回はカメラがグルグル回り込んだり、砲塔がビュンビュン回ったりするので、なんかもうCGアプリの宣伝を見てるような気持ちになってしまいます。
あと敵の戦闘兵のデザインがまるっきり「ファイナルファンタジーX」なのが痛かったです。暗い色使いに、点滅する青緑の光。FFXの冒頭に出てくるザコキャラそのまんま。のっぺりしたデザインも同じ。FFXは10年前の技術でポリゴン数を減らさざるを得なくてああいうデザインになっているのに、そこまで真似ることないだろう、という感じ。たぶんCGデザイナーが若手なんだよな。最近の若手はゲームしかやってないので、オタクとしてのレベルが絶望的に低い、ということが如実に出ています。というかFFXのデザインレベルが相当に低いので、そこからパクっていたらさらに下がってしまうのは自明。全体的に、デザインで世界観を確立する、という使命感に乏しかったです。アニメ版のヤマトがデザインと設定だけで制作期間の大半を費やしていたことを知らないんだろうなあ。
以上、思ってることをつらつら書いてみたです。

*1:ヤマトのヘンな遠近法に関しては小一時間かけて解説したい。