バッハのパルティータの楽譜別差異についての巻

全音市田儀一郎校訂版で譜読みを始めたのですが、どうにも目が滑るような、やりにくい感覚で困ってしまったのです。仕方ないので、ウィーン原典版を購入。市田版の問題点は以下。

  • 詳細な運指指示がありがた迷惑。そのくらい自分で考えて弾くよ。ヘンな指示すんなよ。
  • 譜割りが雑。パッセージの流れや構成を考えず、オタマジャクシを大きめに印刷すればいいと思ってるらしい。使えんわ。
  • 市田先生にしてはめずらしく誤謬が多い。速度指示が抜けていたりする。

で、ウィーン原典版なのですが、これもまたいろいろと問題が(汗)。クラウス・エンゲラーという人が校訂しているのですが、エディト・ピヒト・アクセンフェルトがいろいろ口出ししたらしく、装飾音がめちゃくちゃ追加されてます。あのさあ、前書きで「あんまり勝手に装飾音を追加すんなよ。本来の魅力を失うぞ」とか警告するなら、オリジナルに忠実な装飾音にしてよ、って感じ!
ちなみに先生もパルティータの楽譜選択には非常に苦労したらしい。「あまり原典とか考えずに、好きな奏者が弾いてるように弾いちゃうのもアリよ?ってか、そのほうがいいと思う。」とか言われてしまいましたwとりあえず、東京の家にヘンレ版があるので、それを持ってくる予定。
あたしは日ごろ楽譜のエディション差異がどうのこうのとか頭でっかちなことを書いていますが、実際は割とどうでもいいと思っていて、ソナタ全音でいいじゃん、ショパンにしても長いアクセントさえ間違えなければ別にパデレフスキでいいじゃん、みたいな感じです。しかし今回は、はっきりと譜読みに支障を来たしているので、複数の版をきっちり検証するしかない状況に陥ってしまいました。めんどくさいですw