イデオンのブルーレイが出ましたの巻

高いのよ。定価2万円ってなにそれ?みたいな。しかし内容を見て納得。よくぞここまで画像をリフレッシュしてくれました!という感じ。グレイン満載で見てらんないだろうな、と思っていたのですが、グレイン感はほとんどないのです。どうもセルの部分と背景の部分で画像処理を変えているようで、セルの部分はややピンボケ調の柔らかい画質に、背景画の部分はコントラストをはっきりとったシャープな画質にしています。セルの柔らかく、少しくすんだ色調はとても落ち着いた雰囲気でいいです。私はオリジナルのセルも見ていますし、色指定も知っているのですが、この時期のサンライズのアニメの色調はかなりドギツイものがあって(当時のアニメカラーは色数が少なかった)、ちょっとコントラスト付きすぎじゃないかな?と思っていたので、今回の変化は30年ぶりにして嬉しいものがありました。
あと、ギリギリまでシャープさを追求した背景画は本当にすごいです。これは公開当時から言われていたんだけど、黒がはっきりと黒で沈んでいたんです。だけどそれをデジタルで再現するとどうしても変なノイズが乗りやすいので、DVDなどでは甘い画質になっていたのですが、今回はキレキレに攻めた画質です。黒が沈むと、光の表現も際立ちます。もう信じられないくらい綺麗。このアニメはいろいろ狂ってるのですが(笑)、針の穴くらいの小さな透過光を1コマずつ光の量や色を変えて撮影してキラキラしたゆらめきを表現したり、すごく切なく美しい表現がいっぱいあるのです。ラストシーンの鬼作画がすごく有名ですが、あの場面が撮影的にもメチャクチャすごい!ということがよくわかります。アナログ制作作品の透過光に関しては、これを超える作品はこの世に存在しないので、未見の人はぜひ見るべきです。丁寧な仕事というのはこういうことか、ということがビンビンに伝わってくる素晴らしい映像です。
ああどうしよう。昔のアニメがすべてこのレベルでブルーレイ化されたら片っ端から買いまくりそうな自分が非常に怖いです。