アンスネスのラフマニノフの巻

さきほどNHKで放映終了です。
ロシア音楽を理解しようとしない指揮者とオケとピアニストによる非情に(誤字ではない)正確無比な駄演。アンスネス昔のライブはもっとガンガンきていたのに例によって小さくまとめちゃった。まあそれだけにオケと乖離はしなかったんだけど、あんなのラフマニノフじゃないっす。正直なところ、ピアニズムの精緻さではブロンフマンとかを圧倒的に凌駕していてさすがだと思いますが、じゃあ演奏の出来がブロンフマン&ゲルギー以上だったかというとそんなことはなく、音楽のスケールが100分の1くらいになっていました。細部まできっちりしていて、粒立ちもキレイだし、仕上げも見事なんだけど、スワロフスキーのように無色透明なままの音楽になってしまっています。この曲でそういう表現は違うだろ。いままでこのブログに何度も書いてきたけど、アンスネスは心底理解・共感していない曲に対しては、上辺はきっちりしているけど魂の入っていない演奏をするのを基本とする人で、それをクールでカッコイイととらえるか、情熱が伝わってこないつまんない演奏ととらえるかは、もう聞く人の感性とか好みの範疇ではあります。しかしながら私は声を大にして、こんなものは音楽ではない、と断言します。アンスネスラフマニノフのピアノ協奏曲なら明らかに4番が合っています。これは彼のピアノを聴いてきた人ならわかってもらえると思います。
あと解説のジジイが誉めてたけど、こいつはクビにしたほうがいいと思う。N響ライヴだから貶せないのはわかる。しかし「上手いけどこれはよくないです」くらいのことは言うべき。いけべえはちゃんとそういうこと言ってたのになあ。