HP Directの神対応の巻

発注したPCが3月5日到着予定になっていたので、遅らせて週末にしてもらおうと電話したら「明日発送作業に入るので、3日に納品可能ですよ」ということで、なんと前倒し納品。昨日届きました。問い合わせ担当者がその場で納品日を変更可能という業務ルールが素晴らしい。これぞお客様の目線に立った日本品質です。
神だと思うポイントは、テレホンオペレータに出荷指図を変更する権限を与えているところです。受注の変更ならまだしも、すでに在庫引き当ての済んでいる出荷指図を変更できるのはすごい。配送センターに連絡も取らず、在庫ステータスを見てその場でいきなり変更してしまう。なんということでしょう。
ここから、在庫状態をリアルタイムに把握できる優れたシステム(IT)を有していることと、組織を横断する強力な業務権限(出荷指図の変更:普通は物流管理部門の仕事です)を最前線に持たせている、という2つの特徴が読み取れます。私が金沢の会社にいたときは、どっちもできていませんでした。HPよりずっと小規模であるにもかかわらず、です。
金沢の会社の愚痴を言っても仕方ないのですが、権限を持っている人がそれを譲りたがらないと、業務は停滞し、結果として販売機会の損失につながります。私は外から来た人間だったので、この問題に気付いたんですが、外様状態の平社員では問題点を指摘できても、改革まではできませんでした。これは大きな悔いであり、反省点だと思ってます。
HP Directはエントリの一体型モデルにcore i7を搭載するとか変態的カスタマイズが可能なほぼ唯一のPCメーカーです。値段はDELLより高いですが、構成の自由度だけでなくユーザーサポートでも大幅にDELLに勝ってます。DELLサポートの悪さはみなさんご存知のとおりです。だからHPから買え、とはいいませんが、わたしはHPのサービスから「ユーザー本位の商売とはどうあるべきか」ということを学びました。こういうことは一朝一夕にはなし得ません。HPはコンパック時代からの蓄積をもとに、いまの業務体制を築き上げたはずです。これが老舗の仕事であり、日本らしさです。HPが日本生産にこだわった理由の一つがここにあると思いました。
実はHPにも問題がないわけではありません。グラフィックカードやハードディスクの欠品は、しょっちゅうあります。世代交代の激しいPC部品の在庫を保有するリスクを下げたい気持ちはわかります。しかし欠品は販売機会を逸することになるので、いい塩梅に在庫量をコントロールするのが発注担当者の腕の見せ所だと思います。なお、パソコンはいつもわが家に荷物を届けてくれる、ヤマト運輸のおっちゃんが持って来ました。他業者を使わずヤマトを選択するのも、さすがだと思います。パソコンの運送ではヤマトが最適だからです。文句のつけようがございません。
痒いところに手が届くどころか、欲しい商品が前倒しで手に入るという、タナボタ状態を作り出したHPの仕事のやり方には頭が下がります。それと同時に、自社もそういうふうにしないと、この先生きのこることはできないと思います。
ちなみに「この先生、きのこる」と読むのが正しい区切り方なので、間違いのないようお願いします。