プロコのピアノソナタの中では理解しやすく(きちんとした調性感がある)、譜読みもしやすく、技術的難度もそれほど高くないのと、とにかく大好きなので練習をしています。
弾いた人ならわかると思いますけど、ショパンとドビュッシーの影響が、非常に強いです。第二楽章はショパンエチュードop.10のハ長調の連打課題そのものだし、第三楽章の右手2声部はバラード4番の主題2回目(鬼の重音ポリフォニー)を簡素化したものです。ただ第三楽章は終盤は左手も2声になって、4声を扱うことになるので、ちょっと大変です。フィナーレはタランテラと、ドビュッシーを揶揄したと思われるパスピエが入り混じる、とても面白い構成。この曲を勉強すると、ショパンは尊敬しているけれど、ドビュッシーはやや見下してる感じを覚えます(笑)。
プロコのソナタはほかには5番が好きで、これも弾けそうな感じです。2つバージョンがありますが、かなり違うので、どちらを弾こうか迷ってます。5番は、たぶんラヴェルの影響があって、長2度のぶつかりが多用されて、素晴らしい効果をあげています。昨年まではプロコフィエフは理解不能だと思い込んでましたが、段階を踏んで勉強したことで、いろいろ見えてきたように思います。
と同時に、いろいろなピアニストのCDを聴いていると、「その弾き方でいいのかな?」と思うことがチラホラ出てきました。パッセージの対比が重要なんですけど、演奏表現が甘い人が多いのよね。そのほうが聴きやすいんだけど、プロ子さんは聴きやすい曲を作ろうなんて、これっぽっちも考えていないのではないでしょうか。